「猫の骨は我々の想像を超えている」宇野亞喜良が感じる猫の魅力

「猫の骨は我々の想像を超えている」宇野亞喜良が感じる猫の魅力

 2匹の猫と暮らすイラストレーターの宇野亞喜良さん。絵本のモデルにもなった2匹のちょっぴりせつないお話を、AERA増刊「NyAERA」で披露してくれました。



*  *  *
 僕が昨年出版した絵本『2ひきのねこ』はこんな話です。ももちゃんは猫のボンボンの飼い主。それまでボンボンをかわいがっていたのに、新しい猫すなこを迎えると、ももちゃんはボンボンを忘れてしまいます。ボンボンは「僕を見て」とももちゃんに必死にアピールをするのですが、これは僕が飼っている猫をモデルにしたお話です。

 15年前、東京・北多摩の公園で猫が保護された後、動物病院に預けられ、里親を探していることを知り、引き取ったのがジタンです。アビシニアンと和猫のミックスで、流れ流れて我が家に来ました。

 ジタンはマイペースで、あまり甘えない猫だったのですが、7年前、妻がたまたま入ったペットショップで一目ぼれし、衝動買いをしたアビシニアンのスナコが来てから、性格が一変してしまいました。愛情を独り占めしたいジタンは、スナコに嫉妬しました。それまでジタンがお気に入りだった遊びもスナコが取ってしまった。ストレスだったのでしょう。食欲が落ち、声が出なくなってしまったんです。今は大丈夫ですよ、でも当時は病院へ通いました。

 今でもこの2匹は仲良くない。妻がスナコをかわいがっていると、じっとジタンはそれを見ている。だから僕はジタンに気を使って、スナコの名前は呼ばないようにしています。

 戦後すぐの頃から、家には猫がいました。当時は飼うというよりも、外と家とを自由に行ったり来たりする感じです。でも、手だけが白い猫を「テジロ」なんて呼んでかわいがっていました。僕の人生には常に猫が寄り添うようにいるのですが、べたべたとする関係ではありません。実際、自宅でも、ジタンもスナコも僕にはそんなに近寄ってはこない。スナコは僕がキッチンでミルクとお菓子を食べているときくらいですかね、そばに来るのは。ミルクがどうも好きみたいです。お茶やお水を飲んでいるときは来ませんから。

 猫を絵で描くのは昔から好きです。特に最近は女の子と猫を描くことが多いですね。女の子にはなぜか猫が合う。僕好みの猫は、耳が大きくてスリムな猫。資料がなくても、僕好みの猫は描けるんだけど、犬はどうだろうなあ……。そういえば、画家の藤田嗣治は猫の耳の横にある小さなひだみたいなものまで描いているんです。そこが僕が藤田の好きなところですが、僕自身はそこまでリアルな絵は描きません。擬人化もさせます。

 ライオンやトラやヒョウなど、猫科の動物を描くのも好きなんですが、猫科は全体的に女性性を感じますね。柔軟な動きに、ファッションモデルみたいな歩き方。犬は全体的に男っぽいから、あまり絵には描かないのかもしれません。

 猫背と呼ばれる、背骨がくっと曲がっているところや、歩くときの肩甲骨の独特な動きなど、猫の骨っておもしろい。猫が座っているとき、後ろ脚の形ってよく分からないんですよ。たとえばカエルなんかはよく分かるけれども。猫を見ながら骨を見ているようなところはありますね。猫の骨が我々の想像を超えているところも、魅力の一つです。(編集部・大川恵実)

※AERA増刊「NyAERAみっけ」


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