気持ちのいい天気が続くこの時期、緊急事態宣言下で、写真の撮影に出かけられず、残念に感じている人も多いのではないだろうか。だが、これを写真整理のいい機会ととらえ、これまでに撮りためた写真のバックアップやセレクトに時間を使ってみてはどうだろうか。ここでは、クラウドに写真をバックアップする利便性や、上手な活用法について、主なサービスとともに紹介する。



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 クラウドのストレージサービスは、いってみればインターネット上に自分用の外付けハードディスクがあるようなもの。インターネットを通じて、どこからでも自分のファイルを保存/閲覧できる。もちろん写真のバックアップ用途にも使える。特別なハードウェアを用意する必要がないし、提供者側が冗長性を確保している。地震などの災害時に自宅が被害に遭っても、外部に保存されているため、トータルで安全性が高いといえる。

 クラウドストレージは、保存した写真データをインターネット経由でアップロードする必要があるため、全データを保存するには、固定回線の利用が現実的だろう。とはいえ、日々の撮影が数千枚に及ぶのでなければ、スマートフォンなどを通じて、携帯回線でアップロードしてもいいだろう。アップロードさえしてしまえば、インターネット経由で自由に画像を閲覧・ダウンロードできるのもメリットだ。

■自動でアップロードもできるクラウドの魅力

 多くのクラウドサービスでは、スマートフォン用の専用アプリを用意しており、スマートフォンで写真を撮影すると自動でクラウドにアップする機能がある。スマートフォンの写真のバックアップとして使えるのだ。無線LAN接続時だけアップロードするといった設定もあるので、携帯回線の通信料が気になる人も安心だ。

 一方で、パソコン用のアプリで、特定のフォルダーに保存されたものを、自動でクラウドのデータと同期できるものもある。パソコンの決まったフォルダーに写真を保存すれば、自動でクラウドにもコピーされるようにできるのだ。パソコンが壊れても、データを失わない。パソコンから自分で削除操作すれば、クラウドからも消えてしまうが(逆でも同様)、管理を間違えなければバックアップとして使えるだろう。

 また、先のスマートフォンの写真の転送と組み合わせれば、スマートフォンで撮影した写真が自動でパソコンにコピーされるという使い方もできる。

  ただし、クラウドストレージの課題は価格だ。基本的には容量に応じて毎月の利用料が必要となる。例えばDropboxは2TBで月額1500円となる。写真のファイルサイズは大きく、バックアップ用途としてはやや高価なのだ。例外として現実的なのは、Amazonプライム会員向けの無制限に使えるサービスだが、当然プライム会員をやめるときはデータをすべてダウンロードしなおす必要がある。

 すべての写真を保存するとなると難しいが、例えば最新の写真だけはクラウドに残し、ある程度古いものはNASなどでバックアップするという使いわけをするなら、料金を抑えながら、利便性を活用できるだろう。絶対残したい写真だけクラウドに保存するという手もある。クラウドであっても使い方次第なのだ。

■主なクラウドサービス

▼Amazonフォト
[容量と料金]無制限:500円/月(4900円/年)[税込]
Amazonプライム会員向けに提供されるサービスで、RAW画像も含めて画像ファイルであれば無制限の保存が可能。動画やその他のファイルは10GBまで

▼Creative Cloud ファイルストレージ
[容量と料金]20GB:980円/月(1万1760円/年)、1TB:1980円/月(2万3760円/年)[いずれも個人フォトプランの場合、税別]
アドビによる各種ソフトのサブスクリプションサービスに付帯するストレージサービス。フォトプランはLightroom、Lightroom Classic、Photoshopの使用に付属する。容量は10TBまで拡大可能

▼Dropbox         
[容量と料金]2GB:無料、2TB:1650円/月(1万5840円/年)、3TB:2640円/月(2万6400円/年)[税込]
ストレージサービスだが、写真の閲覧や自動アップロードなどの機能も搭載する

▼Googleフォト
[容量と料金]15GB:無料、100GB:250円/月(2500円/年)、2TB:1300円/月(1万3000円/年)、30TB:3万9000円/月ほか[税込]
GmailやGoogleドライブなどGoogleサービス全般のストレージ容量で、画像向けのGoogleフォトの容量も含まれる。縦横2048ピクセル以下の画像は無料で無制限のアップロードが可能

▼OneDrive
[容量と料金]5GB:無料、100GB:224円/月、1TB:1284円/月[税込み]
通常のストレージサービスだが、写真用のアップロードや閲覧機能も備える。1TBはMicrosoft 365 Personal oの付帯で、Officeと合わせて利用できる

(解説:小山安博)

※「アサヒカメラ」2019年9月号「基礎から始める撮った後のこと」より抜粋
※クラウドサービスの価格は2020年4月現在