「アイドルになりたい」「モデルになりたい」「歌手になりたい」「漫画家になりたい」「音楽家になりたい」など、誰しも一度は夢を抱いたことがあると思います。現在、この夢は以前よりもずっとかないやすくなっています。ただ、それを認識している大人の数は少ないのが現状です。今回は、SNSがもたらした「個人の夢がかないやすい時代」についてです。

 子供の頃に、「モデルや女優やアイドルになりたい」と思った場合、人通りの多い場所でスカウトされるのを待ったり、芸能事務所のオーディションを受けるのが王道の夢のかなえ方でした。「漫画家や小説家になりたい」だとしたら、有名な週刊誌に原稿を持ち込んだり、作家の新人賞に応募したりすることがスタートでした。そしてミュージシャンなら、路上ライブをしたり、音楽レーベルに音源を持ち込んだりしていました。

 これらは全て、「ひと昔前の夢のかなえ方」とも言えます。
実は今は、夢をかなえる一歩目がもっと身近になっている時代です。もし仮に私が10代だったとして、「モデルになりたい」「漫画家になりたい」と思ったら、インスタグラムのアカウントに自分の写真や作品の画像を投稿します。そしてnoteやkindleなどの電子書籍で写真集や漫画を発売します。「アイドルになりたい」「音楽家になりたい」と思ったら、YouTubeやTikTokのアカウントを成長させます。そしてファンクラブもオンラインで開設して、ツイキャスなどでライブのチケットを売ります。小説家になりたいなら、ブログやTwitterのアカウントを作り、Noteやkindleで発売します。ラジオパーソナリティーならvoicy、お笑い芸人ならYouTube、それぞれのプラットフォームでどんどん作品や自分自身を発信して夢をかなえる努力をスタートさせます。

「夢へのスタートを切る」ことが誰でもできる時代なのです。芸能事務所も、音楽事務所も、有名な週刊誌も、育成できる人数は限られています。だから、そこに応募することは、とても狭き門です。人並外れた才能を持つ一部の人以外は、応募しても落選するので、夢へのスタートを切ることすらできません。夢をかなえる人数の枠が限られているため、仕方のないことです。でも、SNS上なら話は違います。誰でもチャンスがあります。アカウントさえ作れば、すぐにデビューすることができるのです。

 もちろん、最初は無名なので、数字は限りなく小さいです。しかし、1年ほどで適性や才能が数字に表れるはずです。数字が伸びれば、必ず事務所や業界の人に発見されます。ファンを多く抱えている個人を放っておくことはしません。先に作品を世に出して事務所に発見されるのが、現在的な夢のかなえ方だと思います。

 しかしながら、今のティーンエージャーには、「〇〇って雑誌に載りたい」「〇〇ってテレビ番組に出たい」という子が多いです。有名な雑誌でも廃刊している時代に、先見性と合理性のなさに驚きます。noteの写真集なら自分で何ページも主役なのに、YouTubeならずっとセンターで映れるのに、と惜しい気持ちになります。雑誌やTVというメディアの強さを感じます。

 親として、多くの人に伝えたいのは、ネットの時代は夢がかないやすくなっていることです。もし子供が「アイドルになりたい」「モデルになりたい」「作家になりたい」「漫画家になりたい」と言ったときに、わざわざ狭き門を提案したり、先入観から「無理だよ」と可能性を閉じることは絶対に避けるべきです。学校の先生や親は、夢の扉を閉じるのではなく、開く方法を教えるべきです。

 子供たちはとても恵まれた時代にいます。自分の才能や作品を簡単に世に出すことができるからです。たとえ大人になっていても、子供の頃にあった夢のスタートを切れる時代になっています。音楽や漫画やアニメなどのモノづくりなら、なおさらです。インターネットがもたらしたのは、「素人の才能を発掘する場所」です。昔ほど、夢は遠くにあるものではなくなりました。少なくともそのスタートは、誰でも切れる時代になったのだと、多くの人に認識してほしいと思っています。