昨年末まで東京都内の文具卸会社に勤めていた洋野町大野の木村末太郎さん(72)は、母校の岩手県立大野高に対し、卒業証書を入れる筒を50年以上にわたり寄贈してきた。木村さんは「地元を離れていた分、何かできたらという思いで続けてきた。これからも地域のためにできることをしたい」と話している。

 旧大野村出身の木村さんは、同校の前身の県立久慈高大野分校定時制課程を卒業後、1965年に都内の文具卸会社に入社。故郷とのつながりを絶やさないよう、また筒を商品として扱っていたことから、当時の社長に「母校にプレゼントしたら」と提案された。

 そこで入社年とその翌年に、会社名義で生徒の人数分の筒を取引業者に注文して母校に贈った。筒には大野高の校章と学校名を刻字してもらった。その後、入社3年目からは、木村さん個人が費用を負担して注文し、学校に送付するように。以来、55年にわたって活動を続けた。

 昨年12月に退社し、1月に帰郷した木村さん。3月1日の卒業式を前に、2月28日に同校で開かれた同窓会入会式に出席。本年度の3年生28人が式本番で使う筒を、初めて直接生徒に手渡すことができた。

 受け取った3年生代表は「長年支えていただいたことを受け止め、大切に使わせていただきます」とお礼を述べた。

 木村さんは「卒業シーズンが近づくと思い出し、気が付けば毎年続いていた」と活動を振り返る。今後も学校と相談しながら、要望があれば続ける方針だという。

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