新型コロナウイルスの感染者が6人確認された八戸市内では、地元経済が重大な局面を迎えている。飲食や観光、宿泊業を襲う経済的な打撃は他業種に連鎖する可能性が高く、二次的、三次的被害や消費低迷への懸念が強まる。地元経済団体は中小企業の事業継続を第一に考え、地域経済の回復に向けた対策を講じる方針だ。感染の沈静化後、即座に効果的な打開策を打ち出せるよう、新たな事業やイベントなどの企画を進める動きもある。

 八戸商工会議所は24日、市に対し、中小企業への支援策を緊急要請した。河村忠夫会頭は「今一番の課題は事業者のつなぎ資金。3月の書き入れ時を失い、飲食やホテル業界は売り上げが大きく落ち込んだ。製造業などはサプライチェーンが停滞しており、影響を食い止めなければならない」と神経をとがらせる。

 経営体力が弱い企業は対策にも限界があるとし、「新型コロナウイルスの影響による倒産は避けねばならず、事業を継続させていくことが何より重要。国や市などと連携し、地域経済を回復させる取り組みを進めたい」との考えを示す。

 主に中小企業・小規模事業者に融資する青い森信用金庫は、新規の貸し出しや返済猶予などの柔軟な対応に着手。取引先企業の事業継続を最重視する。職員が取引先の状況確認に努めているとし、同信金は「全国にある信金のネットワークを生かしたビジネスマッチングも図りたい」とする。

 繁華街の飲食店などが深刻な状況に陥っている中心街経済。八戸中心商店街連絡協議会の松井正文会長は「人が出ていないので消費も少ない。観光客やビジネス客の宿泊が減った余波もある」と苦境を明かす。

 一方、感染終息後の巻き返しを見据え、「各事業者が体力を温存し、難局を乗り越えた後にイベントや宣伝を打って中心街経済を盛り上げたい」と強調する。

 世界的に感染が拡大する中、観光産業は対策を打ち出すのが難しい。ただ、八戸圏域版DMO(観光地域づくり推進法人)「VISIT(ビジット)はちのへ」の塚原隆市理事長は「八戸で感染者が確認されるのは想定内」と説明。「今の状況ではインバウンド(訪日外国人旅行)誘客などはできないが、この機会に八戸圏域の連携を強化し、感染が沈静化した際にさまざまな取り組みを展開できるようにしたい」と話した。

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