「黒い服を着た人は、みんな私と行き先が同じような気がしました。」


乃木坂46 4期生の遠藤さくら、早川聖来、田村真佑、掛橋沙耶香、金川紗耶が元アイドルを演じるドラマ『サムのこと』(dTVにて全4話配信)。3月20日より第1話がスタート、現在第3話まで配信されているが、不思議な違和感と透明感に引き付けられる作品となっている。

冒頭文は、このドラマで最初に発せられるセリフ。早川聖来演じる喪服を着た“アリ”(あだ名)が、電車の中で画面に向かって語り出し、一気にドラマの世界へと引き込んでいく。

原作は、直木賞作家・西加奈子の同名短編小説。アリ(早川聖来)の行き先は、遠藤さくら演じる“サム”のお通夜だ。

亡くなった“サム”と同じアイドルグループ「宇田川ホワイトベアーズ」に所属していたメンバーが“アリ”(早川聖来)、“キム”(田村真佑)、“モモ”(掛橋沙耶香)、“スミ”(金川紗耶)という4人。ちょっと変わったあだ名は一応名前に由来しているが、サムだけは謎。(以下、一部ネタバレあり)

サムのお通夜に向かう4人は、どこか楽しそう。「大切なのは弔いの気持ちだよ」と言いながら「ご祝儀いくら包んだ?」「ご祝儀じゃなくてお香典ね」と話したり、お香典は受け取らないと言われ、「なんか得した気分」「スマホの画面割れ直そっかな」と違和感のある会話が続く。キム(田村真佑)がチョコレート菓子のアポロを棺に入れようとすると、「いや、ちょっと待って、サムが好きなのは、たけのこの里」「きのこの山だよ」「チョコベイビーって聞いたけど」「なんでもいいじゃん」…。その場におよそ似つかわしくない会話の違和感で、サムのつかみどころのない人間像やドラマの世界観が作られていく。

ストーリーは、サムを回想しながら進んでいくのだが、一話ごとにメンバーを一人ずつフィーチャー。それぞれが抱える悩みはかなり闇深く、そこに生前の“めんどくさい奴”サムがどう絡んでいくのがひとつの見所。

第1話では、LGBTで悩むアリ(早川聖来)が好意を寄せるスミ(金川紗耶)の手を握る。そこにサム(遠藤さくら)が現れ、アリの前でスミにキス。動揺するアリがサムに「もしかしてサムもそうなの?女の子が好きなの?」と尋ねると、「全然。LGBTっておしゃれでセンスある感じしない?」。アリの最大の悩みをファッション感覚で片づけてしまった。

第2話では、酒に溺れるキム(田村真佑)が世間を騒がせる過ちを犯し、気付いたサムは大胆な行動に。

そして事件は不思議な収束を迎える。第3話では、モモ(掛橋沙耶香)が売れっ子アイドルの妹に嫉妬し、「控え目に言ってクズ」な行動に。

それに気づいたサムがドキッとする言葉をモモに投げかける。

そんな掴みどころのない空気感を纏うサムを、遠藤さくらが見事に演じている。初の演技挑戦となった『3人のプリンシパル』では、「“私は演技が苦手なんだな”と感じた」という遠藤だが、ドラマ『サムのこと』を通して「楽しいなって思える部分を見つけられるようになった」と心境の変化を語っている。そんな遠藤の演技は、「サムがキャラクターとして魅力的過ぎる」「サムの演技に圧倒されています」「世界観に引き込まれます」と視聴者の心を掴んでいる。どこか冷めているようで投げやりな目つき、その奥に何か熱いものがありそうな奥深さを感じる表情は必見だ。


また、もともと演技に定評のある金川紗耶はドラマの世界観をつくり、田村真佑はリアルな酔っ払いを熱演し新たな一面をのぞかせる。掛橋沙耶香は「私自身が人生の中でターニングポイントとも言える『モモ』との出会いをした作品」という思い入れが詰まった姿が。第4話では金川紗耶演じるスミに焦点があたるが、これまでも見せている透明感でどのような演技を見せてくれるのか注目だ。

お通夜と重い悩み、そこに乃木坂46 4期生メンバーが持つ透明感が重なり、不思議な魅力を放つドラマ『サムのこと』。「サムに救われたのか追い詰められたのか」。第3話ラストには、死んだはずのサムからメッセージが!

「どうやって終わるのか全く想像できないこの面白さ」「どんな終わり方するんだろ」との声が出ているが、果たしてどんな結末になるのか興味深い。ラストに流れる乃木坂46による主題歌『I see…』は、ポップで明るいテイスト。「前へ進む勇気」をどんな形で与えてくれるのか大注目だ。最終回の第4話は、28日0時配信スタート。



<番組概要>
3/20金 配信スタート
dTVオリジナルドラマ「サムのこと」
毎週金・土 AM0:00更新 全4話

(C)西加奈子・小学館/エイベックス通信放送