「この人の横顔が時々つらそうに見えることがある」


中村倫也が主演を務める日曜ドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系、毎週よる10時30分〜)は超美食家の私立探偵・明智五郎(中村倫也)が「食」が動機となる殺人事件を「食」を通じて解決していくサスペンス。


しかし特徴的なのは、明智が平凡な主婦(小池栄子)を殺人鬼・マグダラのマリアへと変貌させてしまったこと。そして、二人は禁断の愛で惹かれ合っていること。「わたしの幸せはねぇ、ただ人を殺せること」と不敵に笑うマリアを、明智は「止めたい」「救いたい」その一心で事件を追っている。何かと事件捜査の手伝いをさせられる小林一号(小芝風花)から、「殺人犯の味方してるんですか?」と尋ねられるような、この危うい関係が独特で魅力的だ。


先週放送の第3話では、シェフ役の武田真治と中村倫也が息をのむ演技合戦。一気に空気を作っていった。「ぼくはただ、彼女にたどりつきたい。それだけだ。どうすれば彼女に会える?」と詰め寄る明智に、「会ってどうする?」「止めてどうする?」とシェフは挑発。「俺はマリアの僕だ。あんたとは違う」と笑みを浮かべ去っていった。東京タワーをバックに小さくため息をつく明智の横顔は、宇多田ヒカルの主題歌『Time』のイントロが重なり、とても切ないものだった。

そんな明智が、苺(小芝)のワゴン車へ。ウィンドウをノックする横顔も「来てたのか?」と尋ねるトーンもやはりどこか悲しげ。「ちょっと気になっただけです」と、つらそうな横顔に気付く苺に寄り掛かるかのように、ワゴン車に寄り掛かってワインを口にする姿は美しく儚かった。


そんな苺に、第4話では殺人鬼・マリアの毒牙が…。明智の同級生が殺される、キッチンハラスメント殺人事件が発生する。


東北の姑から頻繁に送られてくる手料理が冷蔵庫を埋め尽くすことにストレスを感じていた料理好きな主婦・みどり(仲里依紗)が、ネット上で相談に乗ってくれたマリア(小池栄子)に背中を押され、無理解なマザコン夫・和宏(かずひろ)(落合モトキ)を殺害! 


偶然にも和宏の同級生だった明智(あけち)(中村倫也)は、几帳面な和宏が同窓会を無断欠席したことを心配し自宅へ。留守の和宏に代わり宅配業者から“お袋の味詰め合わせ”を預かるが、その頃室内ではマリアに派遣されたシェフ・伊藤(武田真治)が証拠隠滅のため、みどりと共に和宏の死体を解体していた…。


その夜、高校時代に和宏に分けてもらった“お袋の味”を懐かしく思い出していた明智は、姑から手料理がしょっちゅう送られてきたら嫁にとっては“キッチンハラスメント”だという苺(小芝風花)の言葉に意表を突かれる。さらに、預かっていた母親の手料理を『迷惑だろうから捨てといてくれ』という和宏らしからぬメールの返信に強い違和感を感じた明智は、みどりに和宏の安否を問い質すが…。


事態の緊急性を感じ上遠野警部(北村有起哉)と高橋刑事(佐藤寛太)を頼る明智。そんな中、苺にマリアの毒牙が迫っていた…!


予告映像では、中村倫也の“高校制服姿”がすでに話題沸騰中だが、「探偵失格だ」と頭を抱える横顔も映されている。第4話から登場する“れいぞう子”役の仲里依紗は、「久しぶりに地味な役をいただいたかなと思ったら、すごいことをやってしまう人でした」とコメントしているように、何やら“すごいこと”が起きそうな今夜の『美食探偵』に注目しよう。


■『美食探偵 明智五郎』

2020年4月期日曜ドラマ  毎週日曜22:30〜23:25

原作「美食探偵-明智五郎-」東村アキコ(集英社「ココハナ」連載) Ⓒ東村アキコ/集英社