(豊田康平・国際協力銀行ドバイ駐在員事務所)
 若きムハンマド皇太子が進める改革計画「ビジョン2030」のもと、各地で大規模プロジェクトが進められている。特に注目されているのが、化石燃料依存から脱却して経済の多様化を図るため、5000億ドル(約55兆円)を投じて人工都市を建設する「NEOM(ネオム)」と呼ばれるプロジェクトだ。

 NEOMは、シナイ半島に近い紅海沿岸2万6500平方キロの広大な土地が対象で、2025年に完成予定。コンセプト資料によると、都市のエネルギー需要は太陽光・風力などの再生可能エネルギーですべて賄うほか、食や観光、スポーツ、教育など、あらゆる分野で世界中から技術者や専門家を集め、世界最高水準の都市を目指す。

 すでにいくつかの施設は建設されているが、本格的な開発はこれから。あまりにもプロジェクトが壮大で実現を疑問視する声もある。

 また、首都リヤド市内でも、今年11月に開催されるG20(主要20カ国・地域)首脳会議に向けて、地下鉄や金融センターの建設など、各所で開発が盛んに進んでいる。リヤド市王立委員会は30年までに550億円を投資し、リヤドの人口は現在の700万人から1400万人に倍増すると見込んでいる。