(中島敬二・元インド政府アドバイザー)

 人口13億人以上のインドの衛生環境は悪く、医療体制は貧弱だ。だが、これまで新型コロナ感染対策は比較的うまくいっていると見えた。4月14日現在で、感染者は9052人、死者360人。人口に比して感染者が少ない理由は、政府が極めて早い段階で、経済より命重視の対策を講じたためだ。

 2月1日、武漢からケララ州に帰国したインド人学生が初感染者だが、2月5日、政府は中国からの渡航者を、3月3日にはイタリア、イラン、韓国、日本の各国籍の人々の発給済みビザを無効化。その後、世界すべての国を対象に、発給済みの観光ビザや商用ビザを3月13日から4月15日まで無効とする策に出た。

 モディ首相は3月22日、7〜21時の外出禁止令を出し、同日17時から5分間、「感染のリスクを負いつつ働く人々に、ベランダなどから感謝を込めてベルを鳴らそう」と呼びかけた。感染者469人、死者10人となった3月24日には全土を封鎖、翌25日から4月14日までの外出禁止令を出した。厳しい対策を取ってきたインドだが、感染者は緩やかながら増加中だ。政府はさらに5月3日までの外出禁止令の延期を発表。コロナとの闘いが続く。