ネット接続の老舗、通信量は拡大中

── 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、在宅勤務が広がっています。インターネット接続サービス(ISP)への需要が増えているのでは。
勝 自宅などオフィスから離れた場所で仕事をこなす「リモートワーク」に関連したサービスの引き合いが多いです。通信量も非常に増えていて、特に昼間はそれまでに比べて約3割増です。

── IIJには追い風ではないでしょうか。
勝 日本全体でコロナ禍がどの程度続くのかによって状況は違ってくると思います。感染拡大の第2波、第3波があるかもしれません。経済活動は需要が“蒸発”している状態で、大企業を含めて財務の健全性が損なわれる問題が出てくる可能性があります。

── 通信量が増えても企業の設備投資が冷え込んでいく、と。
勝 IIJはすでに契約している通信サービスなどから継続的に入る収益が全体の約8割あります。これである程度しのげるとは思いますが、企業が設備投資を控え、企業の情報システム構築を請け負う「SI(システム・インテグレーション)」など新しい需要が減少すれば、痛手になると思います。

携帯は300万回線

── 近年はモバイル(携帯)系のサービスに注力しています。
勝 2008年に、大手通信事業者から回線を仕入れて顧客に販売する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」のサービスを始めました。当初は消費者向けが中心でしたが、2年前に法人需要に対応するために「フルMVNO」というサービスを始めました。3月末で約300万回線の契約を抱えており、MVNOとしては最大のシェアを持っていると思います。

── 「フル」がつくMVNOとそうではない事業者との違いは。
勝 自社で顧客管理が可能かどうかという点です。フルMVNOは、加入者を特定するSIMカードを独自に発行することができます。この仕組みだと、携帯端末の回線の開通、停止などを自由に設定でき、利用しない場合は一時停止して課金しないなど、利用者も余分な料金がかからずコスト削減につながります。料金体系も柔軟に設定することが可能です。