(江藤和輝・香港ポスト編集長)

 特区政府統計処の発表によると、香港の3〜5月の失業率は5・9%に達し、リーマン・ショック時の5・5%を超えて過去15年で最悪となった。昨年からのデモ活動と、新型コロナウイルス流行の打撃によるものだ。特に小売り、ホテル、外食業を含む消費・観光業の失業率は10・6%と、SARS(重症急性呼吸器症候群)流行時よりも高い水準になっている。

 低所得層の生活は、以前にも増してさらに厳しい。貧困層の多い地域では最近、ショッピングモールのフードコートで残飯を探し歩いている人を目にすることも多くなった。ある地元紙記者が観察してみたところ、身なりの整った高齢者が食べ残されたドリアを持参した容器に詰め込んで立ち去る場面や、40歳ぐらいの男性が他人が食べ残した蒸し魚ご飯とスープを残さず平らげる姿が見られた。また、別の男性は、手に箸を持ちながらフードコートを巡回し、食べ残しを見つけるとすぐさまつまんでいたという。

 中国本土に居住しながら香港で仕事をしていた人が、出入境制限のため香港にとどまり、失業してホームレスになる例も多い。政府は給与補助措置を打ち出すなど雇用維持に努めているが、どこまで失業を食い止められるだろうか。