クラウド資金調達で新商品開発支援

── マクアケとはどんな会社ですか。
中山 新商品や新しいサービスの登場をインターネットで支援する事業を手掛けています。商品が完成する前に購入希望者から製造に必要な資金などをネットで募るクラウドファンディングによって、新商品をデビューさせるのです。

 従来、新商品を消費者に届けるには、先に商品を作ってから小売店の店頭など実店舗に並べるのが普通でした。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの実店舗が閉鎖され、オンラインへの注目が高まりました。新商品を世の中に送り出すときに、最初に選択されるプラットフォームを目指しています。

── この数カ月間で印象に残った商品やイベントは?
中山 例えば、(飲食店の口コミサイト)「食べログ」で「4・67」の高評価を得ている東京・広尾のレストランのシェフ、長谷川稔さんが作ったチーズケーキです。8078人に購入してもらい、資金調達の目標500万円に対して16倍の8048万円が集まりました。

 また、刃物の名産地の岐阜県関市産の包丁は、購入金額が目標の35倍に達しました。コロナ禍により自宅で調理する人が増えたことも影響したと思います。マクアケでの購入のことを当社では、商品が生まれた背景にある物語に共感してもらうという意味を込めて「応援購入」と呼んでいます。

── クラウドファンディングの会社はほかにも多くあります。マクアケの特徴は?
中山 クラウドファンディングには、困りごとを抱えた人がネットで募金するイメージがありました。当社は、それとは別の視点で、新商品など世の中にない新しい物がデビューする場という概念を加えて、マーケティングの要素を取り入れたことで独自のビジネスモデルを確立したと思います。

── オンライン販売なら、他のネット通販を利用するとか、自社で販売することもできます。マクアケを使うメリットとは?
中山 人々の趣味・嗜好(しこう)は多様化していて、特徴のない商品に対して消費者の財布は開きません。それでも、量販店などの店頭に置いてもらうには、ある程度の量産が必要になり、在庫を抱えるリスクが生じます。一定の在庫が必要なのはネット通販も同じです。

 マクアケでは、新商品を作る前に買いたい人から資金を募ることで、在庫と顧客獲得の二つのリスクを低減させながら、どんな商品が売れるかを事前に探ることができます。こうしたマーケティングの機能を活用して、消費者に“刺さる”商品を世の中に送り出す力になっています。