(津山恵子・ニューヨーク在住ジャーナリスト)

 全米で最大の地下鉄・バス路線を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)は、連邦政府に120億ドル(約1兆2780億円)の緊急支援を要請する意向を示した。MTAのパット・フォイ会長が8月31日、ラジオに出演して語った。原因は新型コロナウイルスの影響による経営の急激な悪化だ。

 新型コロナの影響で、MTAの交通サービスを利用する人が激減し、車内や駅の消毒費用なども急増した。米メディアによると、今年3月末から始まった新型コロナによる同州の自宅待機・出勤禁止令で、乗車率は95%減少したという。自宅勤務を続けている企業も多く、以前の利用度は望めない状態だ。また、世界各国から集まっていた観光客が戻っていないことも響いている。

 コロナ危機の前から赤字が増加していたMTAは、自宅待機令による乗車激減を受けて、連邦政府の新型コロナ緊急対策の支援も受けていた。しかし、このままでは2024年までに約162億ドルの赤字を抱えるとしてフォイ会長が緊急支援の要請を決めた。緊急支援が得られなければ、運行本数の40%削減や運賃の値上げなどが必要になるという。交通サービスの悪化が懸念される。