半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(早坂伸夫社長=写真、旧東芝メモリ)が10月6日、東京証券取引所に上場する。今年最大の大型案件と市場の期待は大きいが、上場後の業績見通しは苦戦を強いられる可能性が高い。

 キオクシアは、NAND型フラッシュメモリーで世界シェア2位。東芝メモリ時代、一時期は東芝の営業利益の9割を稼ぐ大黒柱だった。上場時の時価総額は2兆円を超え、親会社だった東芝の時価総額1兆3650億円(9月9日時点)を上回りそうだ。今後は強敵の韓国サムスン電子などが巨額の設備投資をする中で、いかに投資資金を捻出するかが課題だ。

 半導体市場に詳しいアナリストは「上場のタイミングが悪い」と話す。メモリーはスマートフォンなどに使われるが、「記憶容量の少ない低価格のスマホしか売れず、7〜9月の市況は調整局面だ」という。今年は新型コロナウイルス禍で巣ごもり需要が増加。データセンターの拡大など想定外の要因はあったが、足元は米中貿易摩擦の影響が考えられる。納入先の中国ファーウェイの生産能力が落ちることも想定され、「キオクシアも無傷ではない」(アナリスト)。