(永江朗)

 女性ファッション誌の『JJ』(光文社)が月刊での刊行を年内でやめる。2021年からは不定期刊行になるというが、事実上の休刊である。最近、雑誌の休刊ニュースには驚かなくなったが、「ついに『JJ』までも」という嘆きの声が出版関係者から聞こえる。

『JJ』の創刊は1975年。週刊誌『女性自身』の別冊として誕生した。誌名は「女性」「自身」の頭文字からといわれる。70年創刊の『anan(アンアン)』(平凡出版、のちのマガジンハウス)がフランスの『ELLE(エル)』と提携して世界の最先端ファッションを紹介したのに対し、『JJ』はコンサバティブ(保守的)なファッション誌として一時代を築いた。とりわけ90年代のバブル期には同じくコンサバ系の『CanCam(キャンキャン)』(小学館)、『ViVi(ヴィヴィ)』(講談社)、『Ray(レイ)』(主婦の友社)とともに「赤文字系」と呼ばれた。表紙のロゴに赤を用いることが多かったからである。

 発売日の書店には大学生を中心に若い女性客が群がるようにやってきて、雑誌の山が見る見る減っていった。赤文字系雑誌から抜け出たようなファッションの女性たちは「JJガール」などとも呼ばれた。登場モデルからタレントに転身した人たちも多い。

 筆者の手元にある資料によると、01年のABC部数公査で『JJ』は実売47万555部。それが19年1〜6月期は4万6401部にまで減っている。なんと10分の1以下にまで激減しているのだ。ちなみに『CanCam』は32万1844部から6万2083部へと減らしており、他誌も同様の傾向である。『JJ』だけが突出して苦しかったわけではない。ファッション誌は販売収入だけでなく、広告収入も大きかった。部数の減少は媒体価値の低下と広告収入の減少に直結する。

 この20年、読者の環境は激変した。ファストファッションが定着し、情報の入手先もネットが中心になった。レナウンの破綻に象徴されるように、時代の変化についていけないアパレル企業は退場を余儀なくされる。ファッション誌もその例外ではない。