(福岡静哉・毎日新聞台北支局)

 3月11日で東日本大震災の発生から10年。当時は、台湾からも200億円以上の義援金が日本に送られた。

 世界的なデザイナーで昨年10月、新型コロナウイルス感染症のため死去した高田賢三さんは、東日本大震災の復興支援のため、何度倒れても立ち上がる福島の縁起物、「起き上がりこぼし」の展示会を発案。2013年から世界各地で開いてきた。高田さんは「ぜひ台湾でも開きたい」と、親交があった台湾在住の多田由紀さんらと計画。20年10月から21年2月にかけて4カ所での巡回展が決まった。パリ在住の高田さんは展示会の際の訪台を熱望したが、新型コロナの感染拡大のため断念。その後、帰らぬ人となった。

 台湾の展示会では、台湾や世界各地の芸術家、台湾の学生らが出品。高田さんが生前に収録した映像も放映され、笑顔で「ありがとう、台湾」と感謝を伝えた。高田さんは新型コロナにもふれ「台湾の友人たちは未知の脅威と困難に立ち向かいながらも、全世界の平和と復興を願い絵付けをした。台湾での展示はいろいろな意味で本当に意義がある」とも語った。起き上がりこぼしのように、世界中が力を合わせて困難を乗り越えよう──。そんな思いを伝えたかったのだろう。