万が一に備えて知りたい、心筋梗塞の発症と治療の流れ

万が一に備えて知りたい、心筋梗塞の発症と治療の流れ

どんなに健康に気を遣っていても、なる時にはなってしまうのが病気というもの。もし、自分や家族がなってしまった時に慌てないためにも、心筋梗塞発症から入院から退院までの流れを、医学博士の池谷敏郎さんに聞いた。

■今回のアドバイザー

池谷医院 院長

池谷敏郎さん


医学博士。日本循環器学会認定循環専門医。東京医科大学医学部卒業後、東京医科大学病院第二内科に入局し、血圧と動脈硬化について研究を重ねる。現在も臨床現場に立つ傍ら、テレビや雑誌など多くのメディアに出演し、血管・血液・心臓など循環器系のエキスパートとして活躍。著書に『老けない血管になる腸内フローラの育て方』(青春新書プレイブックス)など多数。

突然死の原因に多い急性心筋梗塞は、とにかく迅速な処置が重要


40男にもなれば、そろそろ気になり出す心筋梗塞。どのように発症するのだろうか。



池谷さん「心臓の動脈にできた血栓(血の塊)が血管を詰まらせて、心臓に血液が行き渡らなくなることで壊死を引き起こすのが心筋梗塞の特徴です。特に、突発的に発症する急性心筋梗塞は、突然死の原因の上位に数えられています。その症状としては、激しい胸の痛みや苦しさ、あごや歯の痛み、左腕や左肩の違和感などが挙げられます。発症から5〜6時間以内はゴールデンタイムと呼ばれており、この時間内に治療を行えば、心臓の壊死を最小限に留めることができます。迅速な治療が大切なので、発作を起こした際はためらわずにすぐに救急車を呼び、一刻も早く病院に行ってください」


知っておくべき! 心筋梗塞の入院から退院までのおおまかな流れ


急性心筋梗塞で病院に運ばれたら、どのような処置を取るのだろうか。



池谷さん「心筋梗塞の治療は、バルーンカテーテルを用いた手術が一般的です。詰まった血管にカテーテルを通し、先端についたバルーンを膨らませて動脈を拡張。その部分をステント(ステンレスなどの金属でできた医療器具)で支え、再狭窄を予防します」



術後の入院日数は、発症から処置までのタイミングによって異なり、早くて1週間ほど、場合によっては数カ月間掛かることもあるとのこと。



池谷さん「入院中は、抗血小板剤などを用いた投薬治療と同時に、心不全や不整脈などの合併症の予防管理を行います。また、医師の問診によって、高血圧、喫煙、ストレス、生活習慣病など、心筋梗塞のリスクファクター(危険因子)を見直します。再発を防ぐためにはしっかりとした病識を身につけ、生活習慣を改善することが重要です。そのため、退院後も定期的に通院し、医師から指導を受けることが必要になります」


心筋梗塞の発症リスクを事前に知るために、血管検査が大切


もし、健康診断で異常が見つかった場合には、心筋梗塞のリスクについても一考するべきだという。



池谷さん「たとえば、健康診断でメタボリック症候群と判定された方は、循環器科で『頸動脈エコー検査』を受けて、自分の血管の状態を確認してみることをおすすめします。もし、動脈硬化に伴うプラークが発見された場合は積極的な予防治療に移ることができますし、自分の不摂生のせいで血管に起きた障害をエコーで可視化して見ることで、心筋梗塞のリスクを認識し、危機感を持ってメタボを改善するきっかけになるはずです」


最後にアドバイザーからひと言


「血管は『サイレント・キラー』と呼ばれ、気づかないうちに症状が進行してしまう器官です。心筋梗塞のリスクを下げるためにも、血管を大切にしてくださいね」

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