【脱・会社人間】アーリーリタイアを決める前に準備しておくこと

【脱・会社人間】アーリーリタイアを決める前に準備しておくこと

満員電車とはおさらばして、自宅で株の運用や趣味を楽しみながら、のんびりとした生活を楽しみたい。早期退職やアーリーリタイアという人生の選択肢を考えたことがある人は少なくないと思うが、実際アーリーリタイアを行うにはどんな準備が必要だろうか? 自身も40代でアーリーリタイアし、現在は中小企業診断士として活躍する西條由貴男さんに、必要な準備についてうかがった。

■今回のアドバイザー

中小企業診断士

西條由貴男さん


2010年に講師を志しアーリーリタイアして独立開業。合同会社Finescopeを立ち上げ、現在は、岡山と東京の行政機関にて、アーリーリタイヤして起業を目指す人の支援を行う。著書に『起業のツボとコツがゼッタイにわかる本』『独身★40代で会社を辞めましたが、何が?』など。


アーリーリタイアへの経済的備え 働かないなら月の生活費×予想寿命で


まず、気になるのは経済的な蓄え。西條さんのように、アーリーリタイア後にも働き続ける生き方もあれば、株の運用のみで生活費を賄う生活、または、完全に蓄えを切り崩していく生活など、様々なパターンがあるが、必要となる蓄えの計算方法は?



「貯金を取り崩して生活していくのであれば、『月の生活費×予想寿命』で計算してみると良いでしょう。例えば、月15万円生活費にかかり、あと40年生きると仮定した場合は、7200万円になります。しかし、大病を患ったり、予想以上に長生きしてしまったりすることも考えられるので、さらに1〜2割増ぐらいの金額が必要でしょう。リタイア後も独自に稼ぐのであれば、『事業や投資の初期費用+1年程度の生活費』があればベターです。独立・起業の場合、一般的に事業を軌道にのせるのには3年はかかると言われますが、特に最初の1年が厳しい時期なので、1年間は自身の給料ゼロでも生活できるぐらいの蓄えがあると良いでしょう」(西條さん、以下同)



いずれのパターンであっても、共通するのはリスクへの備え。万が一の事態を想定した蓄えが肝要だ。

アーリーリタイアへ向けての準備で心と体の“ならし”を


では、経済面以外はどうだろうか。人によっては、アーリーリタイアを機に地方移住を考える人や開業を考える人もいる。会社員時代とは環境や時間の過ごし方が一変することが予想され、環境の変化に慣れるのに時間を要しそうだが…。



「特にスローライフを求めて、アーリーリタイアを機に田舎へ移住する場合。私も東京と地方の両方で仕事をしていますが、食費こそ都会とそんなには変わりませんが、住居費は東京の4分の1程度の物件も沢山あります。自給自足ができれば、格段に支出を抑えられるでしょう。出費という意味では安価に抑えることができますが、田舎と都会では利便性がまったく違います。駅はあっても1両編成のディーゼル列車が1日5本程度、買い物には自動車が必須という地域も多いです。さらに、その地域独特のローカルルール的なものもあり、それらに馴染めず都会に戻る人がいるのも現実です」



所変われば品変わるとは言うが、なかなか変化に対応できないのも人の性。歳を重ねるほど強情・頑固になって、柔軟性を失ってしまいがちだけに、見逃せないポイントだ。「もし、アーリーリタイアで移住するのであれば、サラリーマンの間に本当にその地域で暮らすことができるかを体感してみることをお勧めします」と西條さんは付け加える。



「その他、アーリーリタイア後に独立・起業、投資等で稼ぐ場合は、会社勤めの間に、自身の適性を見極め、独立・起業や投資の知識・経験を積んでおくことが大切です。会社という組織に縛られないというメリットはあるものの、失敗した場合のリスクも大きく、莫大な借金を背負う可能性もありますからね」



経済面や環境変化への対応など、アーリーリタイアには準備が必要であることはわかったが、ところで、気になるのはアーリーリタイアのタイミング。“何となく40代で”と考えている人は多そうだが、50代、また定年退職ぎりぎりでアーリーリタイアすることもできる。これについて、西條さんは「給与という安定収入を早々に失うデメリットはありますが、思いきるなら40代の方が良いでしょう」と言い、次のように続ける。



「移住や独立・起業、投資を始める場合は、物理的環境や人間関係、必要となる知識・経験がガラッと変わります。この変化に対応するには、やはり少しでも若い方が有利です。逆に50代になったら、アーリーリタイアせず、ギリギリまで会社に所属するのもひとつです。人は1年歳を重ねる毎に、新しい変化への対応力が下がっていくことを、自覚しておく必要があるでしょう」



もしも、アーリーリタイアを検討しているなら…。今すぐにでも準備や行動を起こすが吉。入念な準備と早めの行動・決断が、成功への道しるべだ。

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