坂本龍一さんが韓国映画初参加!『天命の城』ファン・ドンヒョク監督インタビュー

坂本龍一さんが韓国映画初参加!『天命の城』ファン・ドンヒョク監督インタビュー

今週6月22日(金)から公開となる韓国映画『天命の城』は、清による朝鮮侵略「丙子の役」を描いた壮大な時代劇です。韓国を代表する俳優、イ・ビョンホンキム・ユンソクが初共演、その他パク・ヘイルコ・スパク・ヒスンなど実力派俳優が集結し、国と民衆のためにそれぞれの信念を闘わせる男たちの熱い姿を見事に演じています。

今回は、『トガニ 幼き瞳の告白』『怪しい彼女』など幅広いジャンルでヒット作を生み出しているファン・ドンヒョク監督に本作品の魅力をたっぷり伺いました。

臨場感あふれる映像美の秘密!

Q.臨場感や迫力が観客に伝わってくる力強い映画でした。その辺りのテクニックや意識したことについて教えて下さい。

『天命の城』では、特別なテクニックをできる限り使わず、いかに臨場感を出すかということに挑戦しました。ストレート・カットにこだわり、近くに寄って人物を撮影したりといった工夫をすることで、現場でドキュメンタリーを見ているような感覚を目指しました。

これまでの作品では、スローモーションを乱発したり、回想シーンではディゾルブ(※)を使ったり、過剰なまでに映像のテクニックを多用していましたので、これまでとは違った作品を皆さんに届けることができたのではないでしょうか。

※ディゾルブ:徐々に暗くなる前の画面に、次の画面が徐々に明るくなりながら重なって現れる画面転換技法。

初時代劇に挑戦!

Q.『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)『怪しい彼女』(2014)などの現代劇から、史劇の製作に向かった経緯を教えて下さい。

きっかけは、原作者の金薫(キム・フン)さんの娘さん(映画の製作をしている方)に、「この作品を映画にしてみませんか?」とご提案頂いたことです。

そこで、原作「南漢山城(ナムハンサンソン)」を読んで、自分がこの史実にあまり詳しくないことに気が付きました。我々にとって屈辱的な歴史・記録なので、断片的な知識しか持ちえなかったのかもしれません。小説を読み、背景にはどんな真実が隠されていたのか?知らないことを知ることができたので、“映画にして観客の皆さんにも共有したい”という気持ちになり制作を決意しました。

当時と今の国際情勢をみると、相変わらず、同じような状況があることは残念ではありますが、単なる昔話として終わらせるのではなく“今の時代にも通じる部分がある”と感じさせてくれる作品ではないでしょうか。

監督から観客への問いかけ

Q.この作品を通じて、平和に関するメッセージを世界に発信している面もあるのではないでしょうか。

メッセージを伝えるのではなく、問いかけをする、質問を投げかける作品にしたいと思いました。つまり、この映画に登場するチェ・ミョンギル(役:イ・ビョンホン)と、キム・サンホン(役:キム・ユンソク)のどちらが正しいのかということではありません。

降伏してでも国を存続させ民を救う決断をしたミョンギルの方が正しかったのかなとは思いますが、その答えは時代や状況によって変わってくると思います。必ずしもミョンギルの選択が正しいわけではないですし、誰が正しい・間違っているではなく、いつどんな時にも、個人にも国においても起こりうることで、信念・真理・哲学を追い求めた方がよい時もあれば、屈辱的でも頭を下げるべき時もあると思うのです。

だからこそ「あなたならこの場合どんな選択をしますか?」という問いかけをする映画にしたいと思いました。このような歴史があったとしたら繰り返さないためにはどうすべきか?考えることを目的にしたかったので、答えにはこだわってはいませんでした。

イ・ビョンホン、キム・ユンソクに劣らない存在感を示したコ・ス

Q.鍛冶屋ソ・ナルセ(役:コ・ス)の存在も際立っていて印象的でしたが、実在した人物なのでしょうか。

鍛冶屋のソ・ナルセは、原作者が実話に基づいて小説の中で創り上げた人物です。実際には、ソ・フンナムという人物が手紙を届けたと記録に残っており、その功績が称えられて賞が贈られたそうです。世界遺産に指定されている南漢山城へ行くと、彼を偲ぶ史跡も造られています。

清との和平交渉を突き通す大臣チェ・ミョンギル役のイ・ビョンホン
大義と名誉を重んじて、徹底抗戦を貫く大臣キム・サンホン役のキム・ユンソク
国のためではなく、民のために命を懸ける鍛冶屋ソ・ナルセ役のコ・ス

もう馬の演出はご免です(笑)

Q.これだけスケールが大きく、馬も沢山登場しています。撮影での苦労も多かったのではないでしょうか?

今回はとにかく“馬”で苦労をしました。大変だから“子供”と“動物”は極力使うなと冗談半分で言ったりしますが、大変さを思い知りました。(笑)例えば、10頭くらいの馬を並べて、台詞を言うシーンも、俳優が声を発すると馬が反応して動いてしまいます。じっとしてくれていればサクッと撮れるシーンにも物凄く時間がかかりました。

朝鮮と清の戦闘シーンでは60頭くらいの馬を一斉に走らせましたが、大きさも違うし、走力にも実力差があり、あわせるのが本当に大変でした。天候も雪が降っていて滑りやすく、騎手が落馬したり、馬と人間が接触するようなこともありました。

幸いにも大事故は起きませんでしたが、人間以上に“馬”で苦労を経験したので、本作をきっかけに二度と“馬”を使った撮影はご免です。せいぜい、一、二頭までが限度ですね(笑)


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