調査報道とファクトチェックに取り組む「InFact」(運営:NPOニュースのタネ)は17日、「《週刊》ネット上の情報検証まとめ」で、インターネット上で最近話題になった"要注意"情報を発表した。

 取り上げられたのは、9月4日、Twitterの一般ユーザーによる「バイデンのイベントに参加した黒人女性は、バイデンに質問する内容を指示する『紙』を渡されていた。 女性『正直に言わせて頂くわ、ミスターバイデン。この紙を読めって言われたけど、わたしにはできないわ。あなたは真実を話さないといけないの。』」とする動画付きの投稿。

 「ネット上の情報検証まとめ」はこのTwitter投稿について、「動画は、アメリカのトランプ大統領の選挙対策本部公式Twitterアカウントが4日に投稿したものの転載。選挙対策本部の投稿は上掲の日本語投稿の『〜私にはできないわ。』の部分までとほぼ同内容で、約2.4万RTされている。

 大統領選候補のバイデン氏を前にスピーチした黒人女性が、『この紙を読むよう言われたけどできない(I was told to go off this paper, but I can’t)』と発言したのは事実である。だが、女性はスピーチ内ではこの指示が誰からのものだったのか明言していない。

 その後、バイデン氏の陣営が『やらせ』の質問を女性に指示したとの解釈が広まったため、米紙ワシントンポストの取材に答えたこの女性は、紙は自身がオーガナイザーを務める人権団体が用意したと説明している。紙には団体による具体的な要求事項が書かれていたが、それよりも自分の思いをそのまま述べようと思ったという。

 『あなたは真実を話さないといけないの』という文はトランプ氏選挙対策本部の投稿には無く、日本語投稿で独自に付け加えられていた。しかも、動画内の実際の発言は『私たちには真実が必要で、私はその真実の一部です(We need the truth, and I am a part of the truth)』というもので、バイデン氏が何か隠していると示唆するような日本語とは意味にかなりの差がある。実際のスピーチ(動画42:48〜)に『あなたは真実を話さないといけない』という表現は見当たらなかったが、この文言が付け加えられたことで、バイデン氏の指示という不都合な事実を女性が暴露したかのような誤った印象を導いた可能性がある。」とした。

 その他に紹介された真偽不明情報は、次のとおり。詳細は「《週刊》ネット上の情報検証まとめ」(毎週水曜掲載)で確認できる。

●「月額29万円の生活保護が国から最低ラインとして支出」
 =大半の受給世帯はこの額以下

●「国から42万円出るから出産費用はゼロに近い」
 =出産費用の全国平均は約50万円

●「『不気味の谷』は動物にはない」
 =参照された論文の内容は異なる

記事全文:https://fij.info/archives/7992
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