2020年3月分(4月納付分)より介護保険料率が改定されます。会社員(給与所得者)が加入している全国健康保険協会(協会けんぽ)の介護保険料はどう変わり、負担はどのくらい増えるのでしょうか。詳しく解説します。  

そもそも介護保険とは?

介護保険とは、40歳以上の人が加入しなければならない保険制度です。(※1)65歳以上の人は第1号被保険者、40歳以上65歳未満の人は第2号被保険者と区別されています。このうち全国健康保険協会に加入できるのは第2号被保険者の人です。
 
65歳以上になると第1号被保険者となり、お住まいの市区町村より保険料が徴収されるようになります。

介護保険で受けられるサービスとは?

第2号被保険者として介護保険に加入すると、加齢に伴う16の特定疾病(末期がんや関節リウマチなど)を原因とする、要介護または要支援状態にあると認定されることで、ケアプランの作成や訪問介護など、さまざまな介護サービスを原則1割の利用料負担で受けることができます。
 
要介護または要支援状態にあることの認定は、市区町村の窓口でその旨を申請し、認定を受ける必要があります。(※2)

介護保険料は2020年3月分から0.06%上昇する

全国健康保険協会に加入している第2号被保険者の介護保険料は、2020年2月分までは1.73%でした。
 
しかし、2020年3月分からは1.79%に引き上げられます。つまり0.06%上昇するのです。介護保険料は、当月分を翌月に支払う仕組みとなっているため、3月に値上がりした保険料は4月に支払うことになります。

負担はどれくらい増えるの?

0.06%上昇するといわれても、いまいちピンと来ないという方もいらっしゃるでしょう。
 
そこで、モデルケースを設定して計算してみます。ひとまず、毎月の給料を30万円と仮定してみます(東京都在住)。すると、標準報酬月額(保険料算定の基準となる額) も30万円となり、この30万円に保険料率をかけて介護保険料を算出します。
 
2020年2月までの介護保険料は、30万円×1.73%=5190円でした。対して、2020年4月以降に納付する介護保険料は30万円×1.79%=5370円となります。つまり、毎月180円負担が増えるわけです。しかし、介護保険料は健康保険料などと同様、労使折半が原則です。
 
介護保険料が0.06%増えたとしても、本人負担分はその半分の0.03%です。つまり、180円の半分である90円が毎月の本人負担分の増加分となります。これを年間に換算すると2160円(本人負担分は1080円)の上昇になります。詳細は全国健康保険協会の保険料額表をご覧ください。(※3)

なぜ介護保険料が上がるの?

介護保険料は、単年度で収支が均衡するように保険者(全国健康保険協会など)が定めることとされています。全国健康保険協会では、急速に進む高齢化などから2019年度末までに467億円の財源が不足すると予想されました。(※4)
 
その財源不足を補うとともに収支バランスを考慮して、2020年度の3月分より介護保険料が1.79%にまで引き上げられることになったのです。
 

介護保険の第1号被保険者と第2号被保険者との違いは?

介護保険の第1号被保険者と第2号被保険者は、年齢以外にも受給要件などに違いがあります。両者の違いを表1にまとめましたので参考にしてください。
 
【表1】

まとめ

全国健康保険協会の介護保険料率は、2020年4月納付分より1.79%に引き上げられることとなりました。
 
介護保険に加入していることで、支援が必要となったときに適切なサービスを受けることができます。介護保険については、専門とするFPや市区町村の窓口に相談するとよいでしょう。
 
参考




 
執筆者:柘植輝
行政書士

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