年金制度といっても、新入社員の方にとって支給はまだ先のこと。   「あまりよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。しかし、20歳から60歳までは年金保険料を納付する義務があります。年金保険料を納付することで、今後どういった公的サービスが受けられるか知っておきましょう。   公的年金には、国民年金と厚生年金や共済年金があります。今回は、特に会社員の方が加入する厚生年金で、実際にどのくらいの額が給料から引かれるのか、そして年金の意義について紹介します。  

厚生年金保険の保険料はいくら? ボーナスからも引かれる?

厚生年金の保険料がどうやって計算されるのか、知っていますか?
 
厚生年金保険の保険料は、毎月の給与とボーナス(賞与)に対して、18.3%の料率をかけたもの。それを、雇用主と従業員の方で折半して支払うことになっています。
 
この場合の「毎月の給与」とは、4月から6月の平均の給与額のことです。金額により保険料の等級(※1)が決定します。また、ボーナス部分とは、実際のボーナスの額から1000円未満の端数を切り捨てた額のこと。1回につき150万円が上限となります。
 
毎月の給与は標準報酬月額、賞与部分は標準賞与額といい、それぞれ保険料が算出されます。
 
例えば、4月から6月までの平均の給与が30万円だとします。標準報酬額30万円に18.3%をかけると、5万4900円です。これを雇用主と従業員と折半するわけですから、半額の2万7450円が毎月給与から引かれていきます。
 
計算式としては、30万円×0.18÷2=2万7450円となります。
 
ボーナスが100万円だとします。標準賞与額100万円に18.3%をかけると、18万300円です。これを雇用主と折半するため、半額の9万1500円がボーナスから引かれます。
 
計算式としては、100万円×0.18÷2=9万1500円です。
 

日本の年金制度:国民年金・厚生年金・共済年金についておさらい

日本の年金制度は、大きく分けて3つに分かれています。
 
20歳から60歳までの方が加入する国民年金。そして、厚生年金保険の適用事業所に勤務される方が加入する厚生年金、国家公務員や地方公務員、私立学校の教員の方などが加入する共済年金です。
 
厚生年金と共済年金は同様の制度で、国民年金の上乗せとしても機能します。
 
株式会社などの法人や、従業員が常時5人以上いる個人の事業所は、厚生年金保険の適用事業所です。そこで勤務する方は、国民年金の第2被保険者と厚生年金の加入者ということになります。
 
「年金」と聞くと、老後に受け取るものだと思っている方もいるかもしれません。老後に受け取る年金は老齢年金と呼ばれますが、年金に加入することで、それ以外の障害年金や遺族年金の支払いを受けることもできます。
 
次の章で、障害年金と遺族年金について見ていきます。
 

年金加入で受け取れるもの:障害年金

障害年金は、けがや病気で障害が残ったときに支給され、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。
 
どちらに申請できるかは、けがや病気の診断を受けたときに加入していた年金制度によって異なります。国民年金に加入していた方は障害基礎年金、厚生年金の方は障害厚生年金です。
 
障害基礎年金の支給額は、老齢基礎年金(国民年金)の満額を基準とし、障害の程度やお子様の有無によって加算される仕組みです。
 
障害厚生年金は、それまでの給与や賞与に応じて決まる年金額を基準にし、障害の程度によって加算されます。
 

年金加入で支払われるもの:遺族年金とは

遺族年金は、国民年金や厚生年金の加入者が亡くなったときに遺族に支払われます。遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。こちらも、障害年金と同様に加入していた年金制度によって異なります。
 
国民年金に加入していた方の遺族は、遺族基礎年金を受け取ることができます。18歳までの子どもがいる配偶者、もしくは子どもに支給されます。このため、子どもがいない配偶者には遺族基礎年金は支給されません。
 
厚生年金に加入していた方の遺族は、遺族厚生年金を受け取れます。亡くなった方の配偶者や子ども、孫、55歳以上の夫、父母、祖父母に対して、障害厚生年金と同様の計算で出た額の4分の3の額が支給されます。
 
ただし、子どものいない30歳未満の妻は、5年間の有期給付となります。
 

本当にもらえる? 老齢年金のメリットとは

「年金はもらえなくなるのでは」という声も耳にしますが、実際にはとても良い制度だと思います。
 
現在の国民基礎年金は、国民が収めた年金保険料を原資とし、さらに2分の1が国庫負担となっています。
万が一、年金原資が枯渇するということがあっても、国庫負担で年金制度は継続されます。
 
こう考えると、日本の年金制度は、民間の保険会社の死亡保険や傷害保険、個人年金保険などの機能をまるごと備えた、とても素晴らしい保障制度だといえます。
 
この年金制度を基礎に、確定拠出金やNISAなどの知識を深め、将来への備えをしておくのもよいでしょう。
 
[出典]

 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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