新型コロナウイルスは世界各地で猛威を振るっているなか、世界保健機関(WHO)は3月11日、新型コロナの感染について、「パンデミック(世界的な大流行)」にあたると表明した。これに伴い、各国政府は相次いで入国制限などを導入。ヒトとモノの流動が制限されているなか、世界経済は2008年に発生したリーマンショックが引き起こした世界同時不況より深刻な状態に陥ると懸念する声が広がっている。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は2月22日、中国の経済活動が新型コロナウイルスの感染拡大で混乱していると指摘。2020年の中国と世界経済の成長予想をそれぞれ5.6%、3.2%に下方修正した。また、4月公表の見通しでは、一段の下方修正も示唆された。

新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、世界の金融業界は動揺を見せている。また、航空や観光、小売業界などヒトとモノの移動に直接関っている業界では、一部企業が倒産危機に直面しているほか、レイオフ(一時解雇)などを余儀なくされている。

こうした状況の中、日米の中央銀行が相次いで異例の金融緩和に踏み切っているほか、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和の拡大を決定した。日本の国内では、政府が家計の直接支援を検討している。また、国内メディアによると、一部地方公共団体や企業は内定取り消しの学生を受け入れることを表明しているという。神戸市はこうした学生を市の職員として1年間採用する考えを示した。民間では、家電量販店大手の株式会社ノジマ(神奈川県横浜市)やアイウエアの製造販売を手掛けるOWNDAYS(沖縄県那覇市)、オーダーメイドの旅を提供する株式会社旅工房(東京都豊島区)、「松屋」などの飲食店をチェーン展開している株式会社松屋フーズ、ホテルのアメニティなどの企画・製造・販売を手掛けている株式会社三和(東京都墨田区)などが内定取り消しの学生救済に乗り出している。

「なぜこの時期に学生の救済に乗り出している」と株式会社三和の施盛大・代表取締役社長にインタビューしたところ、施社長は「これは弊社の社会貢献の一環」だと回答。また、「雇用の安定維持が消費拡大につながる」とも強調された。これより先、株式会社三和は墨田区にフェイスシールドおよびマスクを寄付したばかりだ。