日経平均は小幅に上昇。80.63円高の16633.46円(出来高概算12億4000万株)で前場の取引を終えた。朝方はグローベックスの米株先物でサーキットブレーカーが発動する状況となり、寄り付き前のシカゴ日経225先物が一時15060円まで急落する局面もみられたが、日経平均は小幅に上昇して始まった。その後は、先週見られたNT倍率の低下の反動といった流れにより、日経平均は寄り付き直後には一時16833.56円まで上げ幅を広げる局面に。ただし、その後は再び下げに転じる荒い値動きとなり、先週末の終値水準での推移が続いた。

 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは、医薬品、非鉄金属、保険、鉄鋼、鉱業が堅調。半面、空運、小売、精密機器、輸送用機器、化学、不動産が軟調。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、アドバンテスト<6857>、ファミリーマート<8028>、第一三共<4568>が堅調。一方で、テルモ<4543>、ダイキン<6367>、花王<4452>、エムスリー<2413>、7&iHD<3382>が冴えない。

 グローベックスの米株先物でサーキットブレーカーが発動したほか、米上院民主党は、新型コロナウイルスの景気対策法案の採決に向けたマコネル共和党上院院内総務の動きを阻止したことが伝わり、シカゴ日経225先物が一時15060円まで急落するなかで、日本株においては底堅いスタートとなった。意外な値動きではあったが、今週は配当再投資のほか、年度末までの一部国内金融機関を中心とした売りがおさまると想定されることに加え、日銀のETF買い、一部年金買いといった需給面での下支えが意識されやすいところでもあり、冷静な動きとも捉えられる。

 また、先週末には日銀のETF買い入れが2000億円超だったこともあり、前場の段階からETF買い入れへの思惑も高まったと考えられる。また、先週見られていたNT倍率低下に伴うTOPIX優位の展開が一先ず一服しており、225型優位の中で、日経平均を押し上げる格好になったと考えられる。しかし、週明けの米国市場の動向など、引き続き波乱含みの相場展開が警戒されるほか、前場の速い段階でのリバーサルも一巡との見方もあり、手掛けづらい相場展開は続きそうである。

 一方で、日本と中国は新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込めているとの評価もみられている。欧州ではイタリアのデフォルトリスクも高まっているほか、米国では感染拡大による経済への影響が警戒されているなかで、相対的に底堅い値動きをみせてくるようだと、リスク回避姿勢の中ではあるが、売り込まれた日本への資金シフトも次第に意識されてくる可能性はありそうだ。前引けのTOPIXは1.0%下落していることもあり、日銀のETF買い入れが意識される。金融政策による下支えといった歪みではあろうが、底堅さを示すところであろう。