日経平均は続伸。351.14円高の20025.91円(出来高概算6億6000万株)で前場の取引を終えている。

 7日の米株式市場でNYダウは反発し、211ドル高となった。中国の4月輸出額が予想外の増加に転じたほか、ハイテク関連を中心に主要企業の決算が好感されて買いが先行。トランプ大統領が合意打ち切りを警告していた米中貿易協議について、早ければ来週にも電話会談が実施されると報じられ、米中摩擦を巡る懸念も後退した。東京市場ではオプション5月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買が買い越しだったこともあり、本日の日経平均は297円高からスタート。寄り付き後は20088.94円(414.17円高)まで上昇し、2万円台に乗せる場面が度々あった。なお、オプション5月物のSQ値は概算で20073.69円となっている。

 個別では、日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>とファーストリテ<9983>が揃って2%超の上昇。ソフトバンクGは投資先の米ウーバーテクノロジーズが時間外取引で株価急伸したことが材料視され、ファーストリテは4月既存店売上が大きく減ったもののあく抜けと捉えられたようだ。その他売買代金上位ではソニー<6758>、トヨタ自<7203>、富士フイルム<4901>などが堅調。また、ファンケル<4921>やスシローGHD<3563>が決算を受けて東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、今期2ケタ減益見通しの任天堂<7974>は5%超の下落。エムスリー<2413>やタカラバイオ<4974>といったヘルスケア・バイオ関連株も利益確定売りに押され下げがきつく、東エレク<8035>などハイテク株の一角は小安い。また、レノバ<9519>などが東証1部下落率上位に顔を出した。

 セクターでは、鉄鋼、海運業、非鉄金属が上昇率上位で、その他も全般堅調。下落したのはその他製品のみだった。東証1部の値上がり銘柄は全体の70%、対して値下がり銘柄は26%となっている。

 本日の日経平均は米株高の流れを引き継いで300円近い上昇でスタートすると、取引時間中としては2営業日ぶりに2万円台に乗せて前場を折り返した。日足チャート上では19800円台に位置する5日移動平均線を再び上抜け。SQ値をいったん上回ってからは2万円を挟み堅調もみ合いといった動きになっている。5連休の前後に米中摩擦再燃の懸念が浮上し、調整していた分を懸念後退で取り戻した格好だ。

 値がさのソフトバンクGとファーストリテが相場のけん引役となっている印象だが、業種別騰落率を見ると鉄鋼、海運業といった景気敏感系バリュー(割安)株にも資金が向かっていることが窺え、前引けの日経平均が+1.78%なのに対し東証株価指数(TOPIX)も+1.47%と健闘している。反面、東エレクやキーエンス<6861>といったハイテク株の一角は前日の上昇が大きかっただけに利益確定売りが優勢。総じて前日までの動きのリバーサル(株価反転)的な内容となっている。中小型株にも利益確定の売りが出ており、新興市場ではマザーズ指数が反落。このところ賑わっているアンジェス<4563>などは荒い値動きとなっている。米中摩擦緩和に伴う外需回復への期待に加え、日経平均の大台回復、週末要因などがリバーサル的な動きの背景にあるとみられる。

 アジア市場でも中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が堅調に推移しており、株式相場全体の地合いは良好だろう。とはいえ、米4月雇用統計の発表を控えた週末とあって、日経平均は2万円を超える場面で上値の重さも窺える。後場も堅調もみ合いが続くとみておきたい。

 さて、米国では経済活動再開に向けた動きが株式相場を押し上げる一方、経済の悪化懸念も根強く、金利先物市場で連邦準備理事会(FRB)のマイナス金利導入を織り込む動きが見られ始めた。こうした金利低下が追い風になるとともに、新型コロナウイルスの影響下で堅調な業績も評価され、ハイテク株の強い値動きが続いている。本日の東京市場でハイテク株はやや利益確定売りに押されているものの、やはり相対的に優位な状況が続きそうだ。バリュー株のリバーサルは短期的な動きにとどまるだろう。なお、同様に追い風に乗る新興株だが、足元の人気銘柄は本日の株価乱高下で株式需給が悪化する可能性もある。人気銘柄への資金集中から循環的な物色に移行することも想定しておきたい。
(小林大純)