パウエルFRB議長は半期に一度の金融政策に関する議会証言で貿易の不透明性が解消しているが、新型肺炎の感染が世界経済の新たなリスクになりうるとし、成長見通しリスクが存続すると警告した。新型肺炎の感染拡大による影響は不透明で、景気への影響を言及するには「時期尚早」と繰り返した。間もなく、経済指標でその影響が明らかになっていくだろうとの考え。



一方で、「米国経済は非常に良好」「成長が継続できない理由はない」と米国経済に自信を示した。また、「失業率の低下」や「賃金の上昇」も継続できない理由はないと強気。現時点では金融政策が「適切」と、当面政策金利を据え置く方針を示唆した。また、低金利が新たなチャレンジだと述べ、緩和姿勢も維持する見通し。



低金利下で、次の景気の下降時にはフォワードガイダンスや量的緩和(QE)などの非伝統的手段をとる必要がでてくると指摘。必要となれば、FRBは積極的に手段を利用していくとした。



米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も12日の講演で経済は順調に成長しているとの見解、政策金利を当面現行で維持し、さらなる行動をとる前に経済の展開や指標の結果を見る必要があると主張した。同総裁は2020年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持っている。失業率は50年来の低水準で推移しており消費も強く経済を支えていると指摘。消費者信頼感も高く本年の消費を支援していくとの見通しを示した。



一方で、新型肺炎の感染拡大を受けて、市場エコノミストは中国の第1四半期の国内総生産(GDP)成長見通しを引き下げ。



■市場エコノミストの中国経済予想

1Q              2020

シテイ:3.6%(従来4.8%)、5.3%(5.5%)

バークレイズ:4%(5.8%)、5.4%(5.8%)

Pantheon Macro:      3.4%

Nomura:3.8%(5.8%)、5.6%(5.7%)

GS:4%(5.6%)、5.5%(5.9%)

スタンダードチャータード:4.5%(6%)、5.8%(6.1%)



金利先物市場でも9月の25ベーシスポイントの利下げを60%織り込んだ。FRBよりも市場の警戒感が増さっている。