フィスコでは新型コロナウイルスの世界的流行による国内主要企業への20年度業績影響を見積もった(前提として新型コロナが流行している状態下では、自動車メーカーの売上高は前年同期比70%減、エレクトロニクスメーカーの売上高は企業により異なるが前年同期比20〜30%減とした)。
結論的には、コロナの影響により外出を控えるべき状況が世界的にどれだけ続くのかで影響は大きく変わってくる。そこで新型コロナの影響が6月まで、9月まで、12月まで、そして21年3月まで続くケースで業績を見積もった。

新型コロナの影響が6月くらいまでで収束すれば、20年度営業利益は19年度比で40%を超える減益にはなると予想されるが、影響が極めて大きい自動車などを除く業種では黒字は確保できよう。2月の中国の新車販売台数は前年同月比79.1%減少したが、足元では世界の多くの国で外出が禁止され、自粛することが求められるようになっており、4-6月においては世界の新車販売台数が中国と同じようになる可能性がある。ゴールドマンサックスでは米4-6月のGDPが前期比24%減少(年率換算)する可能性を指摘しており、世界最大の自動車市場を有する米国の落ち込みは自動車業界に大きな影響をもたらそう。

 新型コロナの影響が9月ころまで続くと、影響が生じやすい製造業などでは、多くの企業が20年度通期で赤字に陥る可能性がある。影響が及びにくい通信業や、日々の生活に不可欠な消費財を提供する製造業や小売り業の落ち込みは限定的とみられるが、主要企業全体での営業利益は19年度比で100%近く減少する可能性がある。リーマン・ショックの2008年度上場企業純利益総額は前年度比80%減であり、この水準を超えて利益が落ち込むこととなる。

考えたくもないが、新型コロナの影響が12月ころまで続くと、全上場企業での利益総額が赤字に陥る可能性がある。また21年3月まで新型コロナの影響が続くと、上場企業の最終損益は30兆円程度の赤字に陥る可能性もあろう。18年度の最終利益は約30兆円の黒字であった。