米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は警戒されていた通り、前週比300.1万件増の328.3万件と予想170万件を上回り過去最大に達した。つい数週間前は50年ぶりの低水準で推移していた。1週遅れとなる失業保険継続受給者数は180.3万人と、2018年4月来で最大を記録。失業ペースは2008年の金融危機を大幅に上回る勢いとなっている。



新型肺炎の蔓延で、企業や小売り店は生産停止や休業を強いられ、従業員の解雇を加速させた結果。残念ながら、申請件数の急増は始まつたばかり。全米で、さらなる州が新型ウイルス拡大を最小限にとどめるために休業命令を出しているため、今後数週間この異常な状況が一段と加速することは避けられない。OXFORDエコノミストは今後数週間で、1500万から2000万人の失業者が出ると警告。



米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「経済は景気後退入りしている」との見解を示し、セントルイス連銀のブラード総裁は第2四半期の失業率が30%まで上昇する可能性を警告している。



景気後退の深刻化が懸念される中、新型ウイルスに対抗するための財政・金融刺激策は「バズーカ」以上の「核兵器のよう」、経済のシステムに「安全」をもたらすと、署名投資家のポールチューダージョーンズは米国政府や連邦準備制度理事会(FRB)を称賛。FRBが導入した措置は、2009年の金融危機、景気後退時に、8カ月かかったと指摘している。金融危機時に量的緩和を実施したのは金融危機・景気後退が始まったかなりあとだったことに言及。株式相場は新型ウイルスがピークをつけるであろう4月に再び底をつけその後は上昇するだろうとの見解を示している。



問題は新型ウイルスの蔓延がどの程度の期間続き、経済が停止するかが不透明であること。トランプ大統領は4月中旬のイースターまでに経済を再開させたいとしているが、現状で「ほぼ不可能」との悲観的見方が台頭している。ムニューシン米財務長官は支援資金が3週間以内に消費者や企業に供給されるとしているが、焦点はいかに速やかに財政支援策の資金が企業や消費者にわたり景気の減速を最小・最短にくいとめられるかになる。