デジタルでの効率性を高める「消費者余剰型経済」へと世界経済が転換していく過程で、一つの注目は「デジタル競争力」であろう。国の「デジタル競争力」を見る上では、国際連合工業開発機関(UNIDO)による2020年工業開発報告書「デジタル時代における工業化」も参考になろう。



UNIDOは「先端デジタル技術の開発と普及は世界の一部地域に集中しており、新興経済圏の大半ではほとんど進展していない」と指摘している。ここで世界の一部地域とされているのは10の先進経済圏であり、具体的には米国、日本、ドイツ、中国、台湾、フランス、スイス、イギリス、韓国、オランダの10ヵ国・地域である。10の先進経済圏「フロントランナー」は、これらの新技術に直接関連する国際特許の90%、輸出の70%を占めていると分析されている。10の先進経済圏に続く形で、先端デジタル技術に積極的に取り組んでいる40の経済圏(追随経済圏)が存在するが、技術導入の度合は先進経済圏と比べて遥かに低いとのことである。



先般紹介したIMDの「世界デジタル競争力報告書」(※)では、世界のトップ5は、米国、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、スイスとされていた。米国とスイスは上記の「10の先進経済圏」にも含まれており、多面的に見てもデジタル競争力が高いと考えられよう。IMDによると、日本のデジタル競争力は63ヵ国中23位と必ずしも高い評価ではなかったが、UNIDOによる評価は意外に高い。



(株式会社フィスコ 中村孝也)



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