欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、上値の重さを意識も

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。NYダウの続伸を受けた米長期金利の上昇などがドルを押し上げる可能性はあろう。ただ、前週末発表された米国の7月雇用統計が堅調な内容だったにもかかわらず、ドルは伸び悩んでおり、上値の重さが意識されそうだ。



今晩は米国の株価や長期金利、さらに23時発表の6月JOLT(求人労働移動調査)求人件数が材料視される見通し。NYダウに関しては、8日午後時点でGLOBEXのNYダウ先物がマイナス圏で推移しているものの、トランプ大統領の夏季休暇入りやイベントリスクの後退で不安要因が後退しており、11連騰となる可能性は残されている。また、JOLT求人件数は、過去10年で最高水準を維持し、堅調な内容となった4日の雇用統計を裏付けられれば、年内追加利上げ観測が広がり、ドル買い地合いとなりそうだ。



ただ、ドルが111円台を上抜け、112円台を目指すような展開は想定しにくい。前週末の雇用統計は非農業部門雇用者数や平均時給の上振れが好感され、連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化への思惑からドル買いが強まったが、その後の伸び悩みは鮮明だ。ドル・円は4日のNY市場で一時111円台を回復したものの、その後は110円半ばから後半でのレンジ取引となっている。ある短期筋は「11日の7月消費者物価指数(CPI)の発表を待たず、すでにポジション調整」との見方を示す。



一方、ユーロ・ドルはなお上昇の余地が指摘される。欧州中央銀行(ECB)は9月にも資産買入れプログラムの縮小計画を発表するとの思惑が広がっており、緩和政策の縮小観測を背景としたユーロ買いが入りやすい地合いのようだ。ユーロは節目の1.2ドルを目指すとの見方もある。このため、目先もECB当局者による金融政策に関する発言や堅調な内容のユーロ圏経済指標により、ユーロ・ドルが一段高となれば、ドル・円への下方圧力となりやすいだろう。(吉池 威)



【今日の欧米市場の予定】

・23:00 米・6月JOLT求人件数(予想:570.0万件、5月:566.6万件)

・02:00 米財務省3年入札(240億ドル)

・OPEC加盟国と非加盟国の専門家会合(最終日、アブダビ)

・南ア議会で大統領の不信任投票

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