為替週間見通し:上値は重いままか、地政学的リスク増大に対する警戒続く

■ドル下落、北朝鮮のミサイル発射計画で地政学的リスク高まる



先週のドル・円は下落。米国と北朝鮮の関係が極度に悪化し、両国が戦争情勢に突入するとの懸念が高まり、リスク回避のドル売り・円買いが広がった。北朝鮮の米領グアム周辺へのミサイル発射計画に対し、トランプ米大統領は報復を示唆したことから、10日の欧米諸国の株式相場は全面安の展開となり、主要通貨に対する円買いが活発となった。



7月の米生産者物価指数と消費者物価指数は市場予想を下回り、利上げ継続に対する懐疑的な見方が再び広がったこともドル売り材料となった。11日発表された米国の7月消費者物価コア指数は前年比+1.7%で市場予想と一致したが、前月比の伸び率は市場予想を下回っており、年内追加利上げ観測は再び後退した。



11日のニューヨーク市場でドル・円は一時108円74銭まで下落したが、米国株と原油先物がやや反発したことから、リスク回避のドル売りは一服し、ドル・円は109円18銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:108円74銭-110円92銭。



■上値は重いままか、地政学的リスク増大に対する警戒続く



今週のドル・円は上値の重い状態が続くことになりそうだ。北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり米朝間の対立は激化しつつあり、軍事衝突に発展する可能性もあることから、リスク回避のドル売り材料となっている。一方、市場参加者は米連邦準備制度理事会(FRB)によるバランスシートの早期縮小を想定している。米7月小売売上高などの主要経済指標を点検し、米金融政策の今後の方針を見極める展開となりそうだ。



北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍はグアム周辺地域を「火星12」(中長距離弾道ミサイル)で包囲射撃する作戦計画を慎重に検討していると発表した。トランプ米大統領はこうした両国の対立で朝鮮半島有事への警戒感は高まっており、地政学的リスク増大を警戒したリスク回避の円買いは続く可能性がある。



米経済指標では15日発表の7月小売売上高が材料視される見通し。3カ月ぶりのプラスが見込まれており、予想通りなら個人消費の増大により米経済の成長持続が期待され、利上げ継続への思惑が広がりそうだ。ただ、FRBのバランスシート縮小や追加利上げなどの金融正常化に関しては、タイミングや正当性について懐疑的な見方が少なくない。7月25-26日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は16日に公表されるが、ハト派寄りのトーンが強い場合、ドルの先高観はやや後退する可能性がある。



【米・7月小売売上高】(15日発表予定)

15日発表の米7月小売売上高は前月比+0.4%と、6月の-0.2%から改善が見込まれる。想定通り3カ月ぶりのプラスとなれば、成長持続を背景に連邦準備制度理事会(FRB)によるバランスシート縮小と利上げ継続への期待が高まり、ドル買い材料になりそうだ。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表】(16日公表予定)

7月25-26日に開催されたFOMC会合の議事要旨は16日(日本時間17日3時)に公表される。前回のFOMCでは市場の予想通り、現行の金融政策の据え置きが決定された。バランスシート縮小について、FOMCの声明では「比較的早期に」と表明されているが、その経緯などが注目されそうだ。



予想レンジ:108円00銭−111円00銭

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