為替週間見通し:ドルはもみ合う展開か、米主要経済指標を見極める展開

【先週の概況】

■ドル弱含み、トランプ米大統領がドル高けん制発言



先週のドル・円は弱含み。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が半期議会証言で、「米国経済や労働市場は引き続き強く、当面、緩やかな追加利上げが最善」との考えを示したことから、追加利上げを織り込むドル買いが強まった。ドル・円は19日に113円17銭まで上昇し、年初来高値(1月8日の113円39銭)に迫る場面があった。



しかし、トランプ大統領は19日、米CNBCとのインタビューで、FRBによる追加利上げに難色を示したほか、「強いドルは米国に不利」と発言したことを受けてドル売り・円買いの動きが広がった。20日の人民元の対ドル基準値が元安・ドル高方向に設定され、米中貿易摩擦激化への懸念が再び高まったこともドル売り材料となった。



20日のニューヨーク市場では、トランプ米大統領が「中国や欧州連合(EU)が通貨を人為的に操作している」、「より強いドルは米国の競争力を取り除く」との意見を述べたことや、米CNBCが「大統領はFRBがあと2回の利上げに踏み切る可能性を懸念している」とのホワイトハウス高官の話を伝えたことから、リスク回避のドル売りが活発となり、ドル・円は一時111円39銭まで下落し、111円44銭で取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:111円39銭−113円17銭。



【今週の見通し】

■ドルはもみ合う展開か、米主要経済指標を見極める展開



今週のドル・円はもみ合う展開か。トランプ米大統領はドル高や金利上昇を歓迎していないとの思惑が広がっており、リスク選好的なドル買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。通商問題を巡って米中の対立が続いていることもドルの上昇を抑える一因とみられている。米国の主要経済指標が堅調だった場合、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続への期待は再び高まる可能性があるが、トランプ政権がFRBの金融政策決定に何らかの影響を及ぼすとの見方が増えている。



中国商務省は米トランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の輸入関税への報復措置に踏み切る構えをみせており、米中貿易戦争に対する警戒感が再び高まりドル売り・円買いが増える可能性は排除できない。27日に発表される4-6月期国内総生産(GDP)などの米主要経済指標が市場予想を上回った場合、パウエルFRB議長の強気な議会証言を意識したドル買いが強まるとの見方はあるものの、市場予想と一致した場合、ドル買い材料出尽くしでドルの上値は重くなる可能性がある。



トランプ大統領は20日、米CNBCのインタビューで、「強いドルは米国を不利な立場に置く」との認識を表明し、中国からの輸入品5000億ドルに関税をかけることができるとの見

解を示した。FRBの追加利上げについても、批判的な考えを述べている。トランプ大統領の発言は、急速なドル高をけん制するものとみられている。市場関係者の多くはドル安誘導を意図したものではないと考えているが、為替や金利に関するトランプ大統領の発言に対する市場の関心はさらに高まることが予想される。



【米・4-6月期国内総生産(GDP)速報値】(27日発表予定)

27日発表の4-6月期国内総生産(GDP)速報値は、拡大基調の維持が示されるか注目される。市場予想は前期比年率+4.0%程度。1-3月期は速報値から改定値、確報値は下方修正された。4-6月期の成長率が市場予想を下回った場合、国内経済の力強い回復への期待は低下し、ドル売り材料となる。



予想レンジ:110円00銭−113円00銭


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