国内株式市場見通し:日経平均は下値模索の局面へ

■日経平均は2週連続の下落、NASDAQも連騰止まる



先週の日経平均は下落した。週間ベースでは2週連続のマイナスとなった。米中の通商問題を巡る応酬が日経平均の上値を抑え、週末1日には為替の円高傾向をきっかけとして前日比300円安と急落した。上海総合指数の下落に伴い小幅安で始まった先週の日経平均は、6日の決算発表を受けて大きく買われたソフトバンクグループ<9984>が牽引して一段高となる場面があった。その後は米中貿易摩擦の激化を背景とした先物安や資生堂<4911>の急落、内閣府が判断を下方修正した機械受注などが影響して日経平均は週末にかけて3日続落となった。相対的に堅調な企業決算や、実質の伸び率が前の3カ月と比べてプラス0.5%、年率換算プラス1.9%となった4-6月GDPなど好材料もあった。しかし、日本時間10日午前に初会合となった日米貿易協議(FFR)は、翌日に継続協議となったことで警戒感が強まり、対ユーロなどでの円高進行が先物安を誘発し日経平均は10日に急落した。一方、NYダウは企業の好決算を支えに前半は上昇したものの、その後は貿易摩擦などを懸念材料に下げた。こうしたなかで異彩を放ったのは米国のNASDAQ総合指数で、9日にかけて8日続伸し7月25日の史上最高値7933ポイントに接近している。好決算のアップルに続き、サウジアラビア政府系ファンドの株式取得に加えて非公開化の構想で人気化したテスラが指数上昇に貢献した。ただ、10日はトルコ・リラ急落という金融市場の混乱を嫌気してNYダウは3日続落、NASDAQ総合指数も9営業日ぶりの反落となった。



■先物主導でボラティリティも高まるか



今週の日経平均は、一時的に下値を試す展開が想定される中、上下へのボラティリティも高まる可能性がある。日経平均は底堅さの拠り所となってきた5日移動平均線(22500円台)を10日に大きく割り込んできた。チャートは7月5日安値21462円からの戻り一巡後のもみ合いが煮詰まるなか、上昇中の75日移動平均線を、上向きに転じた25日移動平均線が上抜けるタイミングにあったものの、下振れたことで調整色が強まっている。テクニカル的には、22100円台を走る26週移動平均線が目先の下値メドとして意識される。2日からニュージャージー州で実質的な夏休みに入っている米トランプ大統領は14日からホワイトハウスに本格復帰するとみられる。上海総合指数、円相場、トルコ・リラ急落による金融市場の混乱いった外部要因でアクションがあれば、薄商いの中で先物主導の上げ下げに、日経平均は振られやすくなることが予想される。このほか、9日に米モルガン・スタンレーが米国市場の半導体セクターの投資判断を引き下げた。半導体関連には日経平均寄与度が高い銘柄も多く、警戒感も働き始めている。



■FFRでの懸念は回避、決算発表も一巡



ただし、悪材料ばかりではない。9日から開催されていた日米の閣僚級貿易協議(FFR)の初会合では、9月の次回会合へ合意が先送りされて、日米の対立が先鋭化することは回避された。米中、米欧との貿易摩擦に巻き込まれず一定の距離を置くことに成功し、9月下旬に計画されている日米首脳会談まで時間的余裕ができたことはプラス材料だ。物色的にも、3月期企業の第1四半期を中心とした決算発表が14日で一巡する。4月以降はドル高・円安で推移した結果、企業業績は相対的に堅調なことは買い材料として働こう。8月中旬という企業の夏季休暇も増えるカレンダー事情から、手掛かり材料が乏しくなる中で、個別企業に対するアナリストの投資判断などに注目度が高まりやすくなる。



■15日に米7月小売売上高、16日に7月貿易統計など控える



今週の主な国内経済関連スケジュールは、15日に7月訪日外客数、16日に7月貿易統計と経済指標の発表は少ない。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールは、14日に中国7月鉱工業生産と7月小売売上高、15日に米7月小売売上高、米8月NY連銀製造業景気指数、米7月鉱工業生産・設備稼働率、米6月企業在庫、米8月NAHB住宅市場指数、16日に米7月住宅着工件数、米8月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、17日に米7月景気先行指数、米8月ミシガン大学消費者マインド指数と、米国は景気関連の経済指標の発表が相次ぐ。このほか、14日は米国連邦議会予備選挙(コネチカット、ミネソタ、バーモント、ウィスコンシン)、15日は韓国・光復節(北朝鮮は解放記念日)にあたる。


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