来週の相場で注目すべき3つのポイント:米中貿易協議の部分合意、米ベージュブック、中国7-9月GDP

■株式相場見通し



予想レンジ:上限22250-下限21700円



来週の日経平均は、米中貿易協議の部分合意を好感して9月26日以来となる22000円台を回復し、上値を試す展開となりそうだ。米中協議については、10月15日に予定されていた対中関税引き上げの先送りが報じられるとともに、トランプ大統領は中国の劉鶴副首相と会談し、第1段階として中国は米農産物の購入、米国は中国の為替操作国認定取り消しが決まったと報じられている。ただし、詳しい内容は明らかとなっていない。部分的合意で1日から15日に実施が延期されていた対中国関税の引き上げが回避され、当面の米中貿易摩擦の懸念が後退した効果は大きい。先週末のCME225先物(円建て)は大阪比240円高の22040円となっており、まずは22000円の大台回復を意識してリスクオンの展開入りが期待される週明けとなりそうだ。ただし、今週は米中貿易問題以外にも不透明材料を抱えている週である。18日に設定されている対欧州連合(EU)報復関税の発動予定日だ。欧州については英離脱延期法が定めるEUとの離脱案合意期限もある。英国のEU離脱(ブレグジット)期日を今月31日に控え、17日のEU首脳会議で英政府が離脱協定に合意できない場合、19日までに英国は離脱延期を要請することが義務付けられている。ジョンソン英首相は離脱延期しないと明言していることから、市場に混乱が生じる懸念もある。こうしたブレグジット問題に加え、14日の中国9月貿易収支、16日の米9月小売売上高、18日の中国7-9月期国内総生産(GDP)と、市場への影響が大きい米中経済指標の発表が予定されており、不安定要素を複数抱え込んでいる週となっている。そのため、日経平均は米中部分合意を織り込んだのち、経済指標に一喜一憂する展開となることも予想される。さらに翌週に目を向けると、22日が即位礼正殿の儀により休場となるうえ、23日の日本電産<6594>を皮切りに3月期決算企業の第2四半期決算発表が本格化するというスケジュールを睨み、積極的な売買は手控えられる可能性もある。



物色的には、旭化成の吉野彰名誉フェローのノーベル化学賞受賞でリチウムイオン電池関連や電線地中化関連の人気が継続する期待がある。また、決算発表や構造改革の発表を受けてファーストリテイリング、セブン&アイHD、良品計画<7453>などが上昇したことを受けて、業績相場への移行も進んできそうだ。今期業績を下方修正した安川電機<6506>についても、売り一巡後は下げ幅を縮め、周辺の中国関連、設備投資関連への売り波及は見られなかった。唯一、11日の取引で主要株価指数が上昇するなか、マザーズ指数のみが3日続落となったことが懸念されるところである。



主な国内経済関連スケジュールでは、14日は体育の日の祝日で休場、15日に日銀支店長会議、10月の地域経済報告(さくらレポート)、8月第三次産業活動指数、16日に9月訪日外客数、17日に9月首都圏新規マンション販売、18日に9月消費者物価の発表が予定されている。





■為替市場見通し



来週のドル・円は底堅い動きが続くとみられる。通商問題などを巡って米中が第一段階の合意(部分合意)に達したと報じられており、ドルは底堅い動きを見せることになりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による10月追加利下げ観測はやや後退していることも、ドル・円相場に対する支援材料となりそうだ。



10月9日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17-18日開催分)では、米中貿易摩擦による経済の先行き不透明感が景気を下押しする懸念が示されていたが、今回の協議で中国による米農産品の大規模購入や、一部の知的財産権、為替、金融サービスの問題などについて米中は合意し、米国は今月15日に予定していた対中制裁関税引き上げを見送ることも決まった。この動きを受けて世界経済の大幅な減速に対する懸念は後退しつつあり、リスク回避的な取引は当面縮小する可能性が高いとみられる。







■来週の注目スケジュール



10月14日(月):株式市場は祝日のため休場(体育の日)、ユーロ圏鉱工業生産、中国貿易収支、APEC財務相会合、ノーベル経済学賞受賞者発表

10月15日(火):日・鉱工業生産、中・消費者物価指数、英・失業率、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)発表など

10月16日(水):日本政府観光局が訪日外客数を発表、欧・新車販売台数、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)など

10月17日(木):豪・失業率、英・小売売上高指数、欧首脳会議、米・鉱工業生産指数など

10月18日(金):中・小売売上高、中・GDP(7-9月)、米・対欧報復関税を発動など

10月19日(土):英・離脱延期法が定める欧との離脱案合意期限


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