12日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。新型コロナウイルスの過度な懸念は和らぎ、株高を手がかりとした円売りが続く見通し。同時にドルは安全通貨としての売りが出やすく、一段の上昇は想定しにくい。



前日の取引では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言が注目された。同議長は米国経済について堅調な労働市場などを挙げ、回復力の強さを強調。ただ、新型ウイルスに関しては経済に影響する可能性は高いとしながらも、具体的な見解を避けた。そうした発言から過度な懸念は弱まり、市場はリスク選好の地合いを維持。本日アジア市場ではNZ準備銀行の利下げ観測後退などを材料に、クロス円主導の展開に。半面、安全通貨のドルは買いづらく、ドル・円は110円手前で上値の重さが意識された。



この後の海外市場でも株高を手がかりとした円売りは継続し、主要通貨の上昇基調は続きそうだ。本日もパウエル議長の議会証言が焦点となる。発言内容は11日とほぼ同じとみられ、市場の先行きへの不安は弱まるだろう。それを受け、景気拡大期待を背景とした株買いが進めば、ドルを押し上げる見通し。一方で、安全通貨売りが見込まれるため、ドル・円は下押し圧力もかかりやすい。また、材料難のなか、前日のJOLT求職の伸びの鈍化で雇用情勢の改善は一服するとの見方が広がれば、ドル買いを抑制する可能性もある。



【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・12月鉱工業生産(前月比予想:-1.7%、11月:+0.2%)

・22:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が朝食会出席(経済見通し関連)

・24:00 パウエル米FRB議長半期議会証言(上院銀行委員会)

・03:00 米財務省・10年債入札

・04:00 米・1月財政収支(予想:-100億ドル、19年1月:+86.81億ドル)