みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。「安全資産」として他の金融資産の価格急落時にリスクヘッジの役割を期待される金ですが、実は新興国の景気悪化時には連動して下落する場面もあります。この新興国とは、主に中国とインドです。この二国がなぜ金相場にとって影響が大きいのかを詳しくご説明します。



■2国で世界の金需要の半分を占める

世界でもっとも金需要に対して影響力が大きい国は中国とインドです。この2国で、世界の金の年間生産量の6割前後を買い占めています。そのため、金価格の動きもこの2国の動向に大きな影響を受けるのです。



■中国は金の最大産出国であり最大消費国

中国は現在、世界で最も多くの金を産出する国です。それでも国内の生産だけでは需要を賄いきれず、例えば2013年に中国は1,000トンを超える大量の金を輸入しました。2014年、そして2015年はこの反動のため買いが大きく減少したものの、中国人の金への選好性をよく表しています。中華街で豪華な装飾が多く見受けられることからもわかりますが、中国人は華やかさや派手さを大切にし、かつ地位や権力をアピールすることに重要性を感じる文化を持っているので、価値が高いとすぐにわかる金は歴史的にも大切にされているのです。



■インド国民の金保有量はどの中央銀行より多い

中国と同じく、インドでも昔から金を大切にする文化が根付いています。特に全人口の約6割を占める農村地域では、銀行の口座も持たない人々が、富を保管するために金のアクセサリーなどを身に着けて保有しています。その量はインド全体で2万トンを超えるといわれ、インド国民全体では、世界中のどの中央銀行よりも多くの金を持っていることになります。中央銀行が政策的に保有している金の量を、個人の保有量が上回るなんて、凄まじいほど金選好性が高いですよね。インドは中国と異なり、ほとんど金の生産はありません。そのため、この需要を満たすためには大量の金を輸入する必要があり、この金買い動向が金価格に大きな影響を及ぼします。



■インドも中国も「バーゲン」好き

皆さんの普段のお買い物でも同じだと思うのですが、欲しいものはなるべく安く買いたいですよね。同じく、インド人や中国人も金を安く買いたいと思っています。そのため、金が高値のときはあまり買われないものの、安値になると買いが殺到します。金価格の下落時にはインドや中国の買い支えが入りやすいということも覚えておきましょう。



フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ

(参考 TOCOM)