ゴールデンウィークの連休を挟んだ2週間の新興市場では、マザーズ指数の戻りが加速し、取引時間中としては1月24日以来の高値水準を付ける場面があった。5月8日のマザーズ売買代金は2016年5月18日以来、およそ4年ぶりの大きさとなった。国内での新型コロナウイルスの新規感染者減少や欧米での経済活動再開への期待から株式相場全体の地合いが改善。マザーズでは新型コロナへの対応で期待されるバイオ関連株やサービスの利用拡大が見込めるインターネット関連株を中心に投資資金が集まった。なお、4月27日から5月8日までの騰落率は、日経平均が+4.8%であったのに対して、マザーズ指数は+10.8%、日経ジャスダック平均は+3.6%だった。



個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>が当該期間で17.2%高。第3四半期決算では赤字幅が拡大したが、今後の損益改善を期待する声が出てきた。また、物色の柱となったのが新型コロナウイルスワクチンの開発で注目されるアンジェス<4563>で同38.1%高。一時マザーズ時価総額2位に浮上し、全市場で売買代金トップとなる日もあった。その他、当該期間のマザーズ売買代金上位ではUUUM<3990>やAiming<3911>が大幅高。上昇率上位にはヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<6090>などが顔を出した。一方、メドレー<4480>やDelta-Fly Pharma<4598>は利益確定売りがかさみ、下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力もワークマン<7564>が同10.7%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同9.7%高と全般堅調。ただ、ワークマンは決算発表後に売られる場面があった。売買代金上位ではリプロセル<4978>などが買い優勢。また、テラ<2191>が当該期間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、出前館<2484>などは売り優勢で、アクセスグループ・HD<7042>や中京医薬品<4558>が下落率上位に顔を出した。



今週の新興市場では、決算等を手掛かりとした循環物色の流れとなりそうだ。先週までアンジェスのような人気株に資金が集中していたが、これら銘柄は先週末の急落で株式需給が悪化し、目先調整を強いられる可能性がある。とはいえ、新型コロナの影響への懸念から出遅れていた銘柄にも資金が向かい始めており、個人投資家を中心に中小型株への物色意欲は依然として旺盛とみられる。新興企業の決算発表がピークを迎え、物色の手掛かり材料となるだろう。



今週は、5月11日にセリア<2782>、Amazia<4424>、弁護士ドットコム<6027>、メイコー<6787>、12日に日本マクドナルドHD<2702>、ラック<3857>、JTOWER<4485>、東洋合成工業<4970>、自律制御システム研究所<6232>、13日にHENNGE<4475>、そーせいグループ<4565>、ナノキャリア<4571>、メドピア<6095>、14日にラクス<3923>、ユーザベース<3966>、メドレー、ヘリオス<4593>、東映アニメーション<4816>、15日にChatwork<4448>、BASE<4477>、フリー<4478>、ハーモニックなどが決算発表を予定している。期待の高いSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)企業を中心に注目されそうだ。



IPO関連では、連休が明けても新たな新規上場企業は発表されていない。やはり営業活動に制約があるなかで証券各社が引受けに慎重となっており、新規のIPO発表は当面期待できそうにない。