29日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。香港統治をめぐる米中対立を背景に、ややリスク回避的な円買いが想定される。ただ、欧米株安に振れれば安全通貨のドルが買われやすく、対円での下げは限定的となりそうだ。



前週末から米中対立や米国内での新型コロナウイルスの感染再拡大に懸念が強まっている。香港統治をめぐる米中対立の過程でトランプ米大統領は中国とのデカップリング(切り離し)について言及し、両国関係の一段の悪化が警戒される。また、米国内の複数の州で感染再拡大がクローズアップされ、世界的な株安に波及している。いずれも有事のドル買いを誘う要因で、週明けアジア市場でもそうした流れが受け継がれた。本日は日経平均株価などアジアの株安を手がかりに円買いが先行したが、ドル・円は下げづらい値動きが続く。



この後の海外市場では、ラガルド欧州中銀(ECB)総裁による「コロナ危機の最悪期を脱したと」との発言が好感され、ユーロ買い・ドル売りが見込まれる。また、中国政府が香港で統制を強める「国家安全維持法案」を明日まで審議すると地元メディアに報じられ、リスク回避的な円買いが入りやすい。ドルには下押し圧力がかかりやすい半面、本日もコロナ第2波への観測が広がれば米株安の継続で安全通貨としてドルが選好されそうだ。とはいえ、明日以降の重要経済指標を控え大幅な株安は想定しにくく、ドルの戻りは小幅にとどまろう。



【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・5月住宅ローン承認件数(中銀)(予想:2.50万件、4月:1.58万件)

・18:00 ユーロ圏・6月景況感指数(予想:82.5、5月:67.5)

・21:00 独・6月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.5%、5月:+0.6)

・23:00 米・5月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+18.9%、4月:-21.8%)

・23:30 米・6月ダラス連銀製造業活動指数(予想:-29.5、5月:-49.2)

・24:00 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が討論会参加

・04:00 ウィリアムズNY連銀総裁が討論会参加