今週もウイルス感染状況や経済の回復動向を睨み慎重な展開を予想する。同時に、ウイルスワクチン、治療薬開発も前例のない異例な速さで進んでいることや追加財政、金融政策が下支えとなるため、堅調推移は続きそうだ。



米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は議会証言で最近の経済指標が予想より早い回復を示唆していることを認識しながらも、経済や労働市場は危機前の水準を依然大幅に下回っており、2000万人の失業者の雇用復帰にはかなりの時間を要すると慎重な姿勢を維持している。FRBは6月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の中で、回復を支援するため当面緩和策を維持する必要性を強調。ウイルス第2波が年末にリセッションを一段と深刻化させる可能性も警告するなど警戒態勢を緩めていない。セントルイス連銀のブラード総裁は3月、4月に底入れしたものの、細やかなリスク管理を怠ったり、第2波が起きた場合、企業破綻をさらに加速させ金融危機に陥る可能性も除外できないと警告している。



FRBは大手銀対象のストレステストでも、「ほとんどの資本は十分」としながらも、最悪のシナリオでは一部のリスクを警告し、大手銀に少なくとも9月まで増配や自社株買い再開を禁止、環境が変わることを前提に年後半に再度資本計画の再提出を求めるなど、パンデミックにより異例な慎重さを見せている。リセッションの深刻化や金融危機に陥るのを避けるため、トランプ大統領が第4弾の財政策に着手していることを明らかにしたほか、ムニューシン米財務長官も7月中に追加財政策をまとめる意向を示しており、相場支援材料となるだろう。



経済指標では、6月サービス業PMI(6日)、6月ISM非製造業指数(6日)、5月JOLT求人(7日)、週次失業保険申請件数(9日)、6月生産物価指数(10日)などが発表予定。特に経済の7割を占める消費の回復動向を判断するために6月ISM非製造業指数に注目したい。雇用の伸びが停滞する中、果たして予想通り活動拡大を示す50を回復できるかどうかに焦点が集まる。



企業決算ではアパレルのリーバイスストラウス(7日)、給与・人事業務代行のペイチェック(7日)、小売りのベッド・バス・エンド・ビヨンド(8日)、ウォールグリーンブーツアライアンス(9日)、大手航空会社のデルタ航空(10日)などが予定されている。特にウイルスパンデミックで直接的打撃を受けたデルタ航空はかなりの減益が警戒される。



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