【先週の概況】

■ウイルス感染拡大でリスク選好的な円売り縮小



先週のドル・円は弱含み。米国内における新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小した。7月6日に発表された6月ISM非製造業景況指数は2月以来となる57.1に上昇。また、9日に発表された新規失業保険申請件数は市場予想を下回っており、企業景況感や雇用情勢の改善を示唆する数字だった。株式市場は指標の改善を好感したものの、外為市場でリスク選好的なドル買い・円売りは拡大しなかった。



10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時106円65銭まで下落したが、反転。この日発表された6月の米生産者物価コア指数は市場予想を下回ったことがドル売り材料となったようだ。しかしながら、新型コロナウイルス治療薬への期待で米国株式は反発したことから、リスク選好の円売りが優勢となり、ドル・円は106円95銭まで反発し、106円92銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:106円65銭−107円79銭。



【今週の見通し】

■底堅い動きか、ウイルス感染拡大で安全逃避のドル買いも



今週のドル・円は底堅い値動きか。米国における新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている。現時点で都市封鎖(ロックダウン)などの強力な経済制限措置が導入される可能性は低いとみられているが、ウイルス感染の拡大が抑止できない場合、都市部などで何らかの制限措置が導入される可能性は残されている。経済制限の再導入を嫌って米国株式が大幅安となる局面では、株式などのリスク資産から米国債やドルなどの安全資産への資金シフトが発生し、主要通貨に対するドル買いが強まるケースもあり得る。

米国の経済指標の改善は基本的にドル買い材料となる。今週発表される6月消費者物価指数(CPI)や6月小売売上高が市場予想を上回った場合、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となる可能性は残されている。



【米・6月消費者物価コア指数(CPI)】(14日発表予定)

14日発表の6月消費者物価コア指数(コアCPI)は、前年比+1.1%とインフレ率は鈍化する可能性がある。ただし、インフレ指標が多少改善しても米金融当局は金融緩和策を長期間維持する見通しで、コアCPIが市場予想とおおむね一致した場合、重要な手掛かり材料にはなりにくい。



【米・6月小売売上高】(16日発表予定)

16日発表の6月小売売上高は前月比+5.6%と、5月ほどではないが、2カ月連続で高い伸びとなる見込み。個人消費の回復で4-6月期の国内総生産(GDP)は想定ほど悪化しないとの見方が広がれば、株高・ドル高の要因になり得る。



予想レンジ:105円50銭−108円50銭