新型コロナウイルス追加経済対策への期待が相場を押し上げそうだ。経済対策を巡る共和党・民主党の見解に大きな隔たりがあり交渉が長引く可能性があるものの、「経済に追加支援が必要」という点では一致しており、いずれ支援が決定されることは明らかだ。議会の交渉が長期化した場合、時間稼ぎでトランプ大統領は大統領令を発令し、家賃未払いによる立ち退き猶予や失業給付金の延長を視野に入れた大統領令を策定していることを明らかにした。学生ローン返済猶予や給与税減税なども盛り込まれる模様で、どちらにしても景気を支えられる。



現状で、ウイルス再燃により回復ペースの鈍化が長引くと悲観的な見方が広がっているが、同時に世帯の第2四半期の貯蓄率は26%に達しており余剰資金が十分であることを示している。政府が大規模な財政支援を供給し、大統領が指摘した通り11月3日の大統領選までにウイルスワクチンや治療薬が完成し年内の実用化のめどがたち活動の再開が本格化した際には、経済の反動はかなり大きいものになりそうだ。



一方で、ハイテクは米中対立が重しとなる可能性がある。トランプ大統領は国家安全保障の観点から、中国のアプリ、TikTokを運営するバイトダンス社とWeChatを運営するテンセント社との取引を45日後に禁止する大統領令を発令した。また、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官に対する制裁を検討するなど対中政策を強化している。緊張が高まる中、米中高官は、第1段階貿易協定の進捗状況の見直しをする会合を15日前後に予定しており今後の関係を探る上で注目したい。



経済指標では、6月JOLT求人件数(10日)、7月PPI(11日)、7月CPI(12日)、7月輸入物価指数(13日)、7月小売売上高、7月鉱工業生産、設備稼働率(14日)などが予定されている。米国経済の7割を消費が占めるため7月小売り売上高の結果に特に注目したい。5月に18.2%増と過去最大の伸びを示したのち、6月に7.5%増、7月には1.7%増と大幅な鈍化が予想されている。消費回復の停滞が再度確認される可能性があり注視が必要だ。



企業決算では大手ホテルチェーンのマリオット、不動産のサイモンプロパティ、ロイヤルカリビアン(10日)、ITのシスコシステムズ、配車サービスのリフト、オンライン保険会社のレモネード(12日)、大手百貨店のメーシーズ(13日)、オンラインギャンブルを運営するドラフトキング(14日)などが予定されている。メーシーズは段階的に営業を再開しており、最悪期は脱したことへの期待が集まる。ドラフトキングはパンデミックの在宅が奏功し業績の一段の拡大が期待される。



(Horiko Capital Management LLC)