スリープロ Research Memo(1):19年10月期通期は良好な事業環境と特需(5G、消費増税)が追い風

■要約



スリープログループ<2375>は、フリーランスを中心とした登録スタッフの空いた時間やスキルにあわせて、IT関連の機器サポートやコンタクトセンターなどの多様な業務とマッチングするビジネスモデルで成長する企業である。1990年代後半のYahoo!BB設置事業で急成長し、2003年に東証マザーズ市場に株式公開、その後はIT関連商品・サービスの販売支援事業やコールセンター事業、システム開発事業、教育支援事業などに多角化した。2011年に経営体制を一新し、BPO事業に特化して経営体質の強化に取り組む。東証2部に昇格した2015年からはM&Aを積極化。5社を連結子会社化し、事業規模を急速に拡大している。2019年8月からは「ギグワークス株式会社」に商号変更する。



1. 事業内容

同社のビジネスモデルは、“IT関連の仕事を中心としたマッチングプラットフォーム”に特徴がある。依頼を受ける仕事は多岐に渡り、毎月1,000社以上から仕事を受ける。同社は“パソコン家庭教師”から出発した経緯もあり、設置、トラブル対応、システム開発などIT関連を得意とするが、現在では販売、コールセンター、調査などIT関連以外も増えた。特に全国規模での短期集中の依頼は同社でなければ受け手がいない場合が多い。依頼主は法人が主であったが、個人向けのプラットフォームも完成し、個人からの依頼も増える見込み。



仕事を行うのは、同社の従業員とともに10万人を超える登録スタッフである。登録者には、スキルの高いフリーランスが多く、常時雇用ではないため、同社の固定費負担は極力抑えられる。登録者にとっては、同社が営業して企業から様々な仕事を取ってきてくれ、自分に合ったライフスタイルで働くことができ、スキルのアップデートも図れるというメリットがある。創業以来、累計で700万件を超えるマッチングを行い、多様な働き方を支援してきた。同社はプラットフォーマーとして、登録エージェントのスキルアップを促進し、覆面調査により実態に即した評価を行うなど、様々な工夫を行っている。結果として、顧客や登録エージェントの満足度は高い。



2. 業績動向

2018年10月期の連結業績は、売上高で前期比19.3%増の16,052百万円、営業利益で同53.7%増の586百万円、経常利益で同52.6%増の613百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同43.4%増の309百万円となり、3期連続の増収増益となった。売上面で特に好調だったのはコールセンター業務などを受託する運用支援サービス分野とシステム・エンジニアリング分野である。2017年10月に子会社化したオー・エイ・エス(株)の売上高が上乗せされ、統合後の業績も好調だ。コワーキングスペース事業は、直営店を増やす戦略のため、工事売上が減少するもののレンタル/オフィス売上は順調に伸びた。利益面では、営業利益・経常利益ともに伸び率で前期比50%を超え、過去最高を記録した。BPO事業の増収効果や、拠点の合理化や人員の適正配置の効果が出た。



2019年10月期通期の連結業績は、売上高で前期比5.9%増の17,000百万円、営業利益は同19.4%増で700百万円、経常利益で同14.1%増の700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同21.4%増の375百万円と、4期連続の増収増益を予想する。BPO事業、コワーキングスペース事業ともに、事業環境は依然として良好である。売上高に関しては、通信販売事業者向けのコールセンター業務「通販LINKS」や子会社オー・エイ・エスが行うソフトウェア関連事業が有望だ。また、導入・設置・交換支援サービスにおいては、2019年10月に予定されている消費増税へのシステム対応、次世代の移動通信方式「5G」向けのネットワーク案件の関連業務受注が期待できる。2019年8月には都内に点在していたオフィスを集約化する目的で新本社に移転する(移転費用は2019年10月期業績予想に織り込み済み)。弊社としては、市場環境の追い風を受けている点や、2019年10月期は特需(5Gや消費増税)もあるため、確実に計画を達成してくると予想する。



3. 成長戦略

同社は、多彩な人材と多様な働き方が新しい価値を生み出す「ギグ・エコノミーのプラットフォーマー」としての戦略を明確にしていくことから、商号を「スリープログループ株式会社」から「ギグワークス株式会社」へ変更する。同社は創業時のサービスであるパソコンの家庭教師以来、知識・時間・スキル・経験を活かして「必要な時に必要なだけ働ける」環境を提供してきた。現在では全国に10万人を超える個人およびフリーランス(個人事業主)が、時間や場所に縛られることなく快適に働いており、まさにギグ・エコノミーのプラットフォームを運営する。シェアリング・エコノミーは、市民権を得た感があるが、ギグ・エコノミーはまだ知名度が低い。社名変更を契機に、ギグ・エコノミーをけん引する中核企業として更なる飛躍を目指す。新商号への変更は2019年8月1日の予定である。



同社は、2015年以来東証2部に上場しているが、条件が整い次第、早期に東証1部へ指定替えをしたい考えを示してきた。2018年10月期を終えて、懸案であった株主数もほぼ基準を満たし、形式基準は整った。今後は、社内体制のさらなる強化を図り、東証1部昇格に向けた最終準備に入る。



■Key Points

・10万人を超える登録エージェントと毎月1,000社以上の依頼企業をマッチングするギグ・エコノミープラットフォームを運営

・2018年10月期は、過去最高売上高・利益を更新。BPO事業各分野が堅調。コワーキングスペース事業も高成長

・良好な事業環境と特需(5G、消費増税)が追い風。2019年10月期通期は、4期連続の増収増益を予想

・新商号「ギグワークス株式会社」へ。東証一部指定替えへ形式基準整う



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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