■業績動向



1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要

早稲田アカデミー<4718>の2020年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比6.0%増の12,319百万円、営業利益で同21.7%増の780百万円、経常利益で同19.5%増の774百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同11.3%増の428百万円と増収増益となり、各利益とも計画を10%以上上回る好決算となった。



(1) 塾生数と売上高の動向

グループ全体の期中平均塾生数は前年同期比4.0%増の38,527人と順調に拡大した。内訳は、小学部が同8.7%増の20,111人、中学部が同0.2%増の15,168人、高校部が同5.0%減の3,248人となり、小学部が全体をけん引した格好となっている。小学部では公立中学進学志望向けのKコース(小5〜6年生)や小1〜3年生がそれぞれ2ケタ増と好調だったほか、私国立中学受験を目指すSコース(小5〜6年生)も7〜8%増と順調に増加した。低学年から進学塾に通わせる傾向が強まるなかで、難関私立中学への高い合格実績とサービス品質の向上に取り組んできた成果がでているものと考えられる。一方、高校部は唯一減少したが、これは早稲田アカデミー大学受験部のうち1校を2019年2月に中学受験専門校舎にリニューアルしたことが主因となっている。期初計画比では高校部が低調だったことで0.2%未達となったものの、おおむね計画通りに推移した。



売上高は小学部が前年同期比9.8%増の6,488百万円、中学部が同2.1%増の4,633百万円、高校部が同1.5%増の1,110百万円と全ての部門で増収となった。生徒当たり単価はほぼ横ばい水準だったが、夏期講習や模擬試験等の一般生徒からの参加が好調だったこともあり、生徒数を上回る伸びとなっている。



2020年3月期第2四半期累計期間における校舎展開については前期末から変化は無かったが、池袋にある本社を2019年8月に立地場所の良い近隣に移転したことに伴い、早稲田アカデミー個別進学館池袋西口校を旧本社に移転している。新本社については従来、数ヶ所の建物に点在していた部署を1フロアに集約したことで部署間連携がスムーズになり、また、IT環境(Wi-Fi環境構築)も整備しており、働き方改革や業務改革などに取り組みやすくなっている。さらには、立地場所や周辺環境が改善されたこともあり、社員のモチベーション向上や、人材採用面でのプラス効果が今後期待される。



(2) 費用の増減要因

2020年3月期第2四半期累計の営業利益率は前年同期比0.8ポイント上昇の6.3%となった。売上原価率が同1.4ポイント低下し、販管費率が同0.5ポイント上昇したことによる。増減要因の内訳を見ると、売上原価では教材・模試制作費、外注費の増加により原材料費率が同0.2ポイント上昇したものの、労務費率が校舎当たり生徒数の増加や、基幹システム導入に伴い校舎の事務作業の効率化が進んだことで同1.1ポイント低下した。また、地代家賃に関してはブランド力を生かして集客を見込めるエリアに校舎を移転したことや塾生増に対応し、一部の既存校舎で増床を行ったことにより、金額ベースで同6.1%増となったものの対売上比率では横ばいとなっている。



販管費の内訳を見ると、広告宣伝費が一部予算の下期へのズレ込みもあって前年同期比で7.4%減、対売上比率でも同0.7ポイント低下した。一方、地代家賃・減価償却費は本社移転に伴う賃料増加と設備投資に伴う減価償却費増により、前年同期比で168.9%増、対売上比率で同0.8ポイントの上昇となっている。また、その他販管費については前年同期比で11.8%増加したが、本社移転に伴う一時費用が含まれている。



(3) 子会社の業績動向

子会社の業績動向について見ると、水戸アカデミーについては売上高で前年同期比20%増と計画を上回って推移している。県内屈指の進学高である水戸一高が2021年4月より中学校を新設し、中高一貫校となるため、同校への受験を目指す小学5年生の入塾が大きく伸びていること等が要因だ。期初計画では生徒数で18%増を見込んでいたが、それを上回るペースとなっている。2019年3月期に校舎を2校から1校に集約化した効果もあって、収益性も大きく向上している。



また、医歯薬専門予備校の野田学園や千葉県内の進学塾である集学舎については、概ね会社計画どおり進捗している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)