■オンコリスバイオファーマ<4588>の開発パイプラインの動向



4. その他パイプライン

(1) OBP-801(HDAC阻害剤)

「OBP-801」は、2015年5月より米国で進行性固形がん患者を対象に第1相臨床試験を開始したが、Cohort3(高容量群)で用量制限毒性が6例中2例発生したため現在は新規患者の組み入れを中断している。今後はチェックポイント阻害剤と低容量の「OBP-801」による併用療法で開発を進めていくかどうかの検討を行っている段階にある。



一方、眼科領域においては米ウィスコンシン大学で2019年8月より、加齢黄斑変性の動物モデルを用いて血管新生の阻害作用や網膜の線維化抑制作用などを確認していたが、結果としては効果が確認されなかった。先に臨床研究を行い、薬効を確認した京都府立医科大学の実験手順と若干異なっていたことが影響した可能性もあるが、2020年春に同大学から提出される最終報告書を見て、今後の方針を決定することになる。



(2) OBP-601(センサブジン)

HIV治療薬候補の「OBP-601」に関しては、2019年後半に新たなライセンス契約候補先が現れ、現在交渉を進めている段階にある。相手先は、HIV以外の疾患の治療薬として「OBP-601」に興味を持ったようで、2020年内に契約が締結される可能性がある。交渉がまとまらなければ、開発権を特許権者である米Yale大学に返上する意向だ(年間の特許権使用料は10百万円程度)。



(3) OBP-AI-004

2015年7月に鹿児島大学と共同研究契約を締結し、B型肝炎ウイルス(HBV)の治療薬候補について前臨床試験を実施したが、所望の試験結果が得られず一歩後退した格好となっている。現在、3〜4種類の候補化合物について、他のウイルスに効果があるかどうか検討を行っている段階にある。





主要パイプラインの物質特許を各国で取得済み

5. 特許取得状況

主要パイプラインであるテロメライシンの特許権は同社と関西TLO(株)が共同保有しており、海外では同社が単独で保有権を持ち、現在は日米欧を含む24ヶ国で特許を取得している。また、テロメスキャンは同社が特許権を保有しており日米含む13ヶ国で、テロメスキャンF35については日米欧中韓を含む12ヶ国以上で特許を取得するなど、知財戦略についても重要な経営戦略の1つとして位置付けている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)