■ピクスタ<3416>の中長期の成長戦略



2. fotowa事業の成長戦略

fotowa事業の成長に向けた今後の取り組みとしては、まず第1に認知度・知名度の向上が挙げられる。具体的には、広告宣伝費を拡大してSEO対策の強化などに取り組む計画だ。これは、出張撮影サービスの性質上、消費者がインターネットで検索して来客するという流れに沿った対策だ。2020年12月期は、特に需要が伸びているニューボーンフォトのプロモーションを強化する。



fotowa事業におけるもう1つの重要な取り組みは、決済手段の充実化による顧客体験の向上である。現在はクレジットカードのみだが多様な決済ニーズに応えることで、リピートオーダーが増える効果を期待できる。



『fotowa』は大きな写真館市場を代替(または新規需要開拓)しながら成長している。現状、出張撮影サービスのトップランナーであり、将来有望な事業である。トップの地位確立に向けては、同社が取り組む新規顧客獲得施策(ニューボーンフォトのプロモーション強化)と固定客向け施策(決済手段の充実化による顧客体験向上)は、理にかなっていると弊社では考えている。将来的には、出産・育児分野(700億円以上の市場)だけでなく、シニア市場やペット市場、法人向けや結婚式など、様々な写真撮影シーンの市場開拓を行い、“出張撮影と言えばfotowa”という確固たるブランドを作る考えだ。





マーケットプレイスでSEO強化、オンデマンド撮影の営業強化を推進



3. Snapmart事業の成長戦略

Snapmart事業の成長戦略は、PIXTA事業の課題と類似する。既に黒字化している事業だが、更なる収益の拡大を図るためにも、マーケットプレイスの定額制契約者の増加が目標となる。2020年12月期はSEO対策を強化し、顧客基盤を拡大する方針だ。オンデマンド撮影では、好調の「アンバサダープラン」をさらに伸ばしたい考えだ。対象が一定規模以上の法人が対象で、絶対数はマーケットプレイスに及ばないものの1件当たりの取引額は大きくなる。これまでは、ごく限られた人数の営業担当者で販売してきたが、2020年12月期は営業人員を増員し、企業からの引き合いを積極的に取りに行く戦略だ。



4. クリエイティブプラットフォームの将来構想

同社は成長スピードをさらに加速させるべく、派生サービスの追加も含めた、PIXTA事業の拡大構想を描いている。10〜20年後を見据える長期構想の中では非常に重要な意味を持つと弊社では考えている。



その派生型新サービスの詳細はまだ明らかにされていないが、同社はPIXTA事業の拡大構想について、現行のPIXTA事業の基盤(クリエイター、ユーザー、コンテンツ)を生かして新たなサービスの展開を構想している。具体例として、制作仲介クラウドソーシングやクリエイター制作支援ツールなどが想定されている。前者はクリエイターに対して直接、写真等の素材の制作を発注することを仲介するサービスだ。後者はユーザーが素材を購入した後のフォローとして購入素材を使って(広告やパンフレットなどを)制作することをサポートすることや、クリエイターの素材制作や自己マーケティングのためのサイト作りを支援すること等が想定されている。無数の才能(クリエイター)と多様なニーズを「n対n」で結びつける経済圏・プラットフォームと言える。こうした新サービスについては、2021年12月期以降に開始されるものと弊社では推測している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)