■日本調剤<3341>の業績の動向



3. 医薬品製造販売事業の動向

医薬品製造販売事業の業績は、売上高で前期比5.9%増の43,072百万円、売上総利益で同11.6%減の6,076百万円、営業利益で同31.0%減の1,301百万円で増収減益となった。また、会社計画比では、売上高で5.3%減、営業利益で31.0%減とそれぞれ下回る結果となった。2019年10月の薬価改定に伴い、既存品の販売価格が想定以上に下落したことが減益及び会社計画比での未達要因となっている。研究開発費や経費などを絞り込んだほか、採算重視の営業戦略に切り替えるなどしたことで、販管費は前期比4.3%減となったものの、販売価格下落による売上総利益率の悪化を吸収するまでには至らなかった。



同社はグループ内に国内トップクラスの調剤薬局チェーンを有する強みを生かして積極的に内部販売(グループ店舗向け販売)を拡大するとともに、それをベースに外部販売の拡大を狙うという戦略で臨んでいる。2020年3月期の売上内訳を見ると内部売上高が前期比10.6%増の18,172百万円、外部売上高が同2.8%増の24,899百万円となり、内部販売の拡大がけん引した格好となっている。



なお、販売品目数は新規収載品22品目を新たに発売したことにより、合計681品目(うち、自社承認品466品目)となった。新たに発売した22品目については、後発医薬品への変換可能規模が推定で約620億円になると同社では試算している。先発品や後発品の競合もあるので、すべてが取り込めるわけではないが、今後の売上増が期待できる状況であることに変わりない。





薬剤師紹介事業へ注力、医師紹介事業も伸長し、売上高は減収となるも利益は大幅増益に

4. 医療従事者派遣・紹介事業の動向

医療従事者派遣・紹介事業の業績は、売上高で前期比2.8%減の12,721百万円、売上総利益で同9.2%増の5,404百万円、営業利益で同25.2%増の1,851百万円と減収ながらも大幅増益となった。薬剤師を中心に医療従事者に対する求人需要は引き続き高水準で推移しているが、薬剤師の需要が派遣から紹介にシフトした影響で売上高は減収となった。一方で、売上総利益率の高い紹介事業が薬剤師、医師ともに拡大したことにより、売上総利益率が前期の37.8%から42.5%と大きく上昇し、増益要因となっている。会社計画比でも派遣需要の想定以上の減少で売上高は下回ったものの、営業利益については計画を確保している。



薬剤師の需要が派遣から紹介にシフトしている背景には、薬局に求められる機能の高まりや人材の長期育成の必要性が高まっており、直接雇用のニーズが増大していることが挙げられる。同事業の売上高の約9割は薬剤師の派遣・紹介事業であり、また、派遣事業の構成比が8割強を占めているため、こうした需要の変化が売上高にも大きく影響した。ただ、売上総利益ベースで見ると、派遣事業の構成比は6割程度となっており、紹介案件の増収効果により利益面では増益となっている。



同社では事業拡大のため前期より営業体制の強化を進めており、その結果として取引先並びに売上高の先行指標となる成約数が順調に拡大している。薬剤師紹介事業については、2018年3月期との比較で取引先数が1.27倍、成約数が1.23倍となり、規模はまだ小さいものの医師紹介事業についても取引先数で3.21倍、成約数で3.18倍と急拡大している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)