■今後の見通し



EMシステムズ<4820>の2020年12月期の連結業績は決算期の変更に伴い9ヶ月間の決算になる。売上高10,092百万円(前期比28.0%減)、営業利益1,127百万円(同28.8%減)、経常利益1,556百万円(同28.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,082百万円(同22.3%減)の見込みだ。



これは、ビジネスモデルの変革を行う過渡期であるためである。同社は従来のシステム・ハード・サポートの三位一体販売からシステム重視の販売にシフトし、完全ストック型ビジネスへの切り替えを行っている。そのための最大の武器となる「MAPsシリーズ」は前期に医科向けと調剤向けが出荷開始となり本格展開が始まった段階である。月額利用料主体のストック型のビジネスモデルであり、ハードウェア販売も主体的には行わない方針のため、初期導入の売上低下が見込まれる時期に当たる。中期経営計画(2018年5月公表)にあるように、2021年12月期以降は課金売上の比率が増えるため急速に収益性が向上することが見込まれる。



新型コロナウイルスの影響は、総じて言えば、医科・調剤・介護/福祉業界の事業環境を変えたものの、効率化のためのシステム投資は依然として必要性が高い。また、対面営業が好まれない風潮になってきたが、当初から非対面でのマーケティング・販売へのシフトを準備してきており、方向性にぶれはない。弊社では、新型コロナウイルスの同社業績への影響は軽微であり、課金売上などストック型の構成比が高いビジネスモデルのため、例年通り期初予想をしっかり超えてくると考えている。



新製品「MAPsシリーズ」による新規顧客開拓及び他社リプレイスの促進が基本となるが、対面営業が制限されるなか、マーケティング戦略を駆使して取り組む方針だ。開発に関しては、リリース済みの「MAPs for CLINIC」「MAPs for PHARMACY」の機能拡張による製品競争力の強化、介護/福祉システム「MAPs for NURSING CARE」の年内のリリースなどが重点となるだろう。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)