■エスプール<2471>の今後の見通し



2. 事業セグメント別見通し

(1) ビジネスソリューション事業

ビジネスソリューション事業の売上高は前期比23.2%増の6,214百万円、営業利益は同19.4%増の1,808百万円を見込んでいる。



a) 障がい者雇用支援サービス

障がい者雇用支援サービスの売上高は前期比27.6%増の3,530百万円、営業利益は約11%の増益を見込んでいるものと見られる。利益率の低下は、農園管理収入の売上構成比上昇と、新たに板橋区との連携により開設する屋内型農園での試験運用実施費用を保守的に見積もっていることが要因となっている。



売上高の内訳は、農園設備販売で前期比13.6%増の1,576百万円、農園管理収入で同59.3%増の1,654百万円、その他(人材紹介)で同12.6%減の299百万円となるが、第2四半期までの販売状況から管理収入はやや下回り、その他でカバーする格好になると見られる。設備販売区画数は前期比11.3%増の1,026区画(上期408区画、下期618区画)を計画している。顧客開拓についてはWebを通じたセミナーや商談、施設見学なども行いながら進めていく予定だ。屋内型農園は第4四半期に販売を開始する予定だが、仮に販売時期が遅れてもその他の農園でカバーできる準備は整えている。屋内型については、江東区や渋谷区、練馬区など周辺自治体からも高い関心を寄せられている。これら自治体でも知的障がい者の雇用創出が課題となっているためだ。板橋区との取り組みが軌道に乗れば、2021年以降、周辺自治体との連携案件も進む可能性が高い。また、大阪の自治体からも問合せが来ており、同エリアへの進出も検討を進めている。



民間企業における障がい者雇用は2019年6月時点で56.0万人まで増加したが、雇用率は2.11%と法定雇用率の2.2%を依然下回っている。2021年4月からは法定雇用率が2.3%に引き上げられるため、法定雇用率を満たすためには約5.1万人の新規雇用が必要となる。障がい者のうち、身体障がい者についてはほぼ完全雇用に近い状態となっているため、雇用率の目標を達成するためには、知的障がい者等の雇用を創出していく必要がある。農園作業はこうした障がい者に適した業務であり(同社サービスの定着率は92%)、同社にとっては追い風が続くものと予想される。



b) ロジスティクスアウトソーシングサービス

ロジスティクスアウトソーシングサービスの売上高は前期比9.4%増の1,200百万円、営業利益も9〜10%増となる見通し。売上高の内訳はEC通販サービスで前期比13.3%増の1,048百万円、物流センター運営代行サービスで同11.6%減の152百万円を見込む。EC通販サービスに関しては、6月以降需要は一段落したものの、好調に推移していることに変わりない。一方、物流センター運営代行サービスは6月以降、回復に向かっているとはいえ、まだ弱い状況が続いている。このため、2020年11月期については既存センターの高稼働率の維持、並びに坪当たり売上高の向上(低収益案件の入れ替え、業務改善による生産性向上)に取り組むことで、業績計画を達成していく方針となっている。



c) 採用支援サービス

採用支援サービスの売上高は前期比37.4%増の600百万円、営業利益で70百万円程度を見込んでいる。2020年3月に青森県に5拠点目となる新センターを開設し、受付処理能力を月間11万件まで拡大した。下期もスーパーマーケット等の好調な業種を中心に新規顧客の開拓を進めていくほか、アフターコロナを見据えた新サービス(Web面接代行、適性診断等)も2020年8月より本格開始することで事業規模の拡大を目指す。新サービスについては2020年3月に出資した(株)ZENKIGENのWeb面接プラットフォーム等を活用し、システム利用料と成果報酬を徴収するビジネスモデルとなる。現状、アルバイト採用については買い手市場となっており、採用企業も応募者すべてを面接するのが困難な状況となっているため、Web面接代行等の需要は大きいと見られる。



d) 抗ウイルスコーティングサービス

コロナの影響で需要が低迷しているセールスサポートサービスやプロフェショナル人材バンクの落ち込みをカバーすべく、2020年7月より抗ウイルスコーティングサービスを開始した。コロナの感染防止対策として、同社グループの既存取引先である飲食店やアミューズメント施設、商業施設、介護・高齢者施設などを中心にサービス展開していく。用いる薬品については既に商業施設や学校、病院など数多くの施設で利用実績があり、効果も1年間と長い。顧客企業の事業活動支援の一環として展開し、初年度から収益貢献するものと期待される。



(2) 人材ソリューション事業

人材ソリューション事業の売上高は前期比15.9%増の14,500百万円、営業利益は同19.1%増の1,410百万円となる見通し。売上高の内訳は、コールセンター業務が同14.3%増の10,875百万円、店頭販売支援業務が同20.4%増の3,000百万円、その他が同23.8%増の625百万円と期初計画を据え置いているが、店頭販売支援業務はコロナの影響で減収となる公算が大きく、コールセンター業務と介護・医療人材サービスの拡大でカバーするものと見られる。



コールセンター業務は引き続き主要顧客先の深堀り(No.1戦略継続)と顧客層の拡大に取り組み、コロナ関連の案件獲得もあって第3四半期も前四半期比で横ばい水準の売上が見込まれている。販売支援業務については組織のスリム化による収益体制を維持しつつ、アフターコロナを見据えた営業強化を進めていく方針となっている。介護・医療人材サービスについては2020年6月に新たに関西に営業拠点を開設し、更なる事業拡大を目指す。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)