【魔法の美術館】興味を持つきっかけに(8月8日)

 いわき市立美術館で開催中の「魔法の美術館」が好評を博している。コンピューター制御などによる、見て、触れて、楽しむ体感型の現代アートを披露している。6日までの8日間で入場者は4700人を超えた。小学生以下が目立ち、同伴した大人も作品に新鮮な驚きと、わくわくする高揚感を得ているようだ。多くの子どもが芸術や科学などに興味を持って、創造性を養うきっかけになればいい。 「魔法の美術館」は、国内で1990年代から盛んになったメディアアートを取り入れている。電子技術や映像技術を駆使した作品は、鑑賞者が動いたり、物に触れると、光と色、形、音などがさまざまに変化し、不思議な世界を表現する。風や光などの自然現象と人工的な技術を融合させた美しい造形もある。 8組の作家・グループによる15作品が並ぶ会場は、通常の美術館とは違った雰囲気だ。鑑賞者は作品前で跳びはねたり動き回ると、色や影の形が変わる光景に歓声を上げる。特殊映像で顔が面白おかしく映し出される度に笑いが起きる。楽しんだ作品が気に入って、わざわざ引き返し、もう一度、並ぶ人もいる。 出品作家による実技講座も関心を高める要因だ。鳥や羽根をテーマにしている作家の講習では、子どもたちが風に乗って飛んで来る「風植物」を創作した。紙で作った花の種のほか、ストローを足にしたクモやロボットなど自由な発想に満ちている。作品を飛ばして着地させた風植物の庭や描いて説明した図鑑が展示され、話題を呼んでいる。 少数の画素で作った童話や昔話のアニメーションを白い本に投影する「がそのもり」を出品した作家によるワークショップもある。参加申し込みは定員に達したが、アニメに興味を持つ人の想像力を刺激する場になりそうだ。 同美術館は以前から子どもの来館を増やそうと、市内の高校・高専生以下は土・日曜日を入場無料にし、夏休み期間中の招待券を配っている。今回の企画展では特典を活用し、リピーターとして再来する子どもが多い。同伴の父母や祖父母にも初めて訪れた人が見られ、美術館の存在感を高める効果を上げている。 開館以来、国内外の現代美術や郷土にゆかりの作品を収蔵し、紹介してきた。常設展に足を運んだ家族連れらは、打って変わって静かに鑑賞し印象などを語り合っている。こちらは作品に触れたり、写真撮影を禁止している。美術館での決まりを知ることも、子どもたちの成長につながるはずだ。(浅倉哲也)

スゴ得でもっと読む

スゴ得とは?

関連記事

おすすめ情報

福島民報の他の記事もみる

北海道/東北の主要なニュース

福島のニュースランキング

ランキングの続きを見る

地域の新着ニュース

新着ニュース一覧へ

人気記事ランキング

ランキングの続きを見る

東京の新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

地域のニュースを見る

地域を選択してください

戻る都道府県を選択してください

記事検索