【新聞輸送網の活用】会津をモデルに(8月11日)

 新聞輸送網を活用した農産物の配送事業が始まった。普段は地元にあまり流通しない南会津特産の南郷トマトを会津地方のホテルやレストラン、道の駅に届けている。新聞販売店に朝刊を運んだ後の帰りのトラックを利活用した。朝刊を運ぶトラックは県内の細部にまで輸送網を広げている。この「会津モデル」の取り組みが、きっと地域を元気にする。 農産物の地産地消を推進する会津若松市のNPO法人素材広場と県内の新聞配送を担う福島市の福島運送が組み、県や地元自治体が支援する仕組みで進められている。トマト農家にとっては、首都圏だけでなく地元に販路が広がる。ホテルやレストラン、道の駅は来客のサービス向上と誘客の呼び水となる。運送会社は帰りの空のトラックを活用した地元貢献のため、輸送費を極力抑えて協力した。 首都圏で人気の高い南郷トマトが地元で手に入りにくかったのは、熟度に配慮した運送ができないことが最大の要因だった。首都圏向けは、消費者の手に届く時に食べ頃となるよう、まだ熟していない段階のトマトを大量に詰め込んだトラックを運行している。地元で消費するには、食べ頃の新鮮な完熟トマトを毎日運ぶ必要があるため、トラックの輸送コストと見合わないケースが多かったという。新聞の配送トラックによってこうした条件をクリアできた。 輸送開始に合わせて、南郷トマトを売り出す二つのキャンペーンもスタートした。一つは只見線応援プロジェクトと題して、南会津、只見、柳津の各町にある6店舗が採れたてのトマトで搾ったフレッシュジュースを提供している。もう一つは、只見川電源流域振興協議会が主催する奥会津フェアだ。県内各地の温泉旅館やホテル11カ所がトマトの魅力を引き出した料理を提供している。 いずれの企画も10月末まで続く。さらに発展させて、アスパラガスやキュウリなど全国の市場で人気の高い農産物をきめ細かく地域間に流通させる地産地消を推し進めてはどうか。会津ばかりでなく、中通りや浜通りでもこの仕組みは生かせるだろう。農産物の運搬に限らず、地域に合った活用の仕方があるに違いない。浜通りでは、復興支援となるような事業に生かすことはできないだろうか。 事業展開には、民間の異業種同士をつなぐ役割が重要になってくる。県や市町村ばかりでなく、企業を取りまとめる経済団体にも、新たな発想による取り組みに注目してほしい。(安斎康史)

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